第3話

アク...?な、に、それ..?

「センセ...。アクって...?」

震える声を一生懸命掻き立てて、ゆっくり聞いた。

センセは、表情を一切変えずニコニコでも、ウチのことを見定めてるような目。

「アカネさん、アクとは昔に死んだ神の魂が悪魔に侵食されかけた者です。」

どゆことっ...?

ウチはいつもの元気を取り戻しつつ、頑張って理解した。

今日はビックリすることが多いな~。

そんなことのんきに考えてる暇はない!

アクを討伐って....!

死ぬくね!?

無理無理無理!

「ちな、目に見える?」

アクって目に見えるのかな?

見えなかったら、取り憑かれそ〜!

まあ、オバケとかは全然大丈夫だけどね。

「普通の人には見えませんよ。普通の人は、ね。」

「普通の人...?」

センセの言葉が、気になってオウム返ししていた。

なにそれ。ウチが普通じゃないみたい。

「ウチは...普通じゃない?」

センセはちょっと驚いたような顔になってた。

何で?驚くこと無くない?

「センセ、教えて。ウチは普通じゃない...?」

無意識的に聞いていた。

本当に何で?

「お母様に聞いてなかったのですね。実はアカネさんはアクとテンの間に生まれた、神なのです。」

はい…?ウチが神?

「何、言ってんの...?」

ウチが、神様...?

お父さんか、お母さんはアク...?

テンって何....?

ウチの頭の中は再び疑問で埋め尽くされた。

だって、自分は神なんだよ!

それに、テンって存在も知らないし...。

「センセっ。テンって何....?」

ウチは少し焦りながら聞いた。

「テンとは、正常な魂を持っている神のことです。」

んん~...?聞けば聞くほどわからなくなるな~...!

「んねっ!センセッ!ウチって悪い存在なの...?」

だって、ウチのお母さんか、お父さんはアクなんでしょ...!?

アクは悪い存在でしょっ…!

「少しいい方が悪かったです。実はアクは人間でもあるんです。天界に入ると、アク。ここ、人間界にいる特は普通の人間なんです。」

う~ん...。わけわかんな~い!

聞けば聞くほど分からないよ!

じゃあ、アクは悪いの?悪く無いの...?

そんな事を考えてたら、ウチはもう一つ疑問ができた。

それは....

「センセ、じゃあテンも天界と人間界で存在が分かれてるの?」

もし、テンもアクとそこが同じだったら結婚しても不自然じゃないよね...?たぶん。

それとも、ウチのお母さんもお父さんも相手がアクとか、テンって気づかなかったのかな...?

そうだったら、もし結婚するのもわかるし~…。

そしたら、センセはちょっと気まずい、恥ずかしいような顔になってから、ゆっくりしみじみ思い出すように口を開いた。

「アカネさん、それはどういう意味でしょうか...?」

センセは多分ウチの言ったことの意味分かってる...。

でも、教えられない理由があるんだと思う。

だってウチも言いたくないことあるし。

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学校に遅刻しまっくたら裏で世界守る人になったんですが!? @heso217

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