「アンチ性別」の水面下

なかむら恵美

第1話

最近、やたら「男女差なし」。

「個人の嗜好」が標準。物事を決める指針である。

「〇〇男子」。

「裁縫」やら「料理」。

様々が○○部分には入るけど、元来ならば「女の子」。

女の子なら「出来て当然、当たり前」「好きに決まっている」

興味があって、やりたがる。どんなにヘタで、ぶきっちょさんでも、嫌いじゃないのに決まっている。

女の子故の「本能」。

母性本能にも似た「呪縛」。花嫁修業花盛りであった時代の「必須科目」であった。


が、レストラン何とかの店主やシェフの多くは、殿方であり、男性だ。

テーラー何とかを切り盛りするのも男性ならば、菓子職人も、また然り。

女性だと「珍しいですね」なんて言われたりもする。

作業としてだけ見るならば、料理に男女差はないのかも知れない。

今や伝説のアニメ「漫画日本昔話」でも、治平(じへい)に、タロベェ。

茂吉に喜作さんだって、煮物に汁物を作っていた。ご飯だって炊いていた。

が、悪まで職業。

シェフもテーラーも、仕事であるから<仕方なく>。

(仕事だから仕方なく、鋏を持つんだ。洋裁をするんだ。憶えておくんだ。私生活じゃ、やってられねぇよ、女みたいで)

向きもあろう。


が、それでも世間が求めるモノ。

我々女の子ちゃん達に期するもの、最低限としての暗黙の了解、無言の圧力があるのを忘れてはなるまい。

<女子力>。家事全般のこなし方としていいだろうか?

<女子力アップで、彼氏をゲット!>

<磨きをかけた女子力で、ますます彼をメロメロに>

<彼氏が逃げてしまうのは、アナタの女子力に問題アリ?>

良く目にする。

けど<男子力>には、未だお目に掛かれない。

「何だそりゃ?」怪訝な顔をされて来る。

筋力(?)・金力(経済力)・将来性(?)。

マッチョは、個人の好き嫌いであるから外すとしても、他に思いつくのが

至難の業だ。

定義に「?(ハテナ)」が、いっぱいつく。


こういう根本がある中で、「男女差なんて、ない」

思い込みと、吹き込まれと、完全に言い切れるだろうか?

大枠でなら認められもしよう。が、いづれ「より男らしい男」「より女らしい女」が、やはりいいと、人気者になるのかも知れない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

「アンチ性別」の水面下 なかむら恵美 @003025

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画