クラス転移をしたら何か怪しくて勘違いされていく話

@Atsukigg

第1話 転移

「数年技に復活する魔王を討伐してほしい」


クラス転移ってやつだろうか。王様らしき人物から異世界での生活を余儀なくされる事を告げられた。


これから復活するという魔王やその他にも魔物などを倒し平和にする事。それが僕らに課された現実への帰還の条件。


そんな僕らには、召喚による二つの恩恵があった。


一つは、異世界の言語や文字を自動変換して理解できる能力。


この世界の人たちと会話でき、文字も読める様になる。


……まあ、これがなければそもそもここで生活することが極めて困難な為あって当然の恩恵だと思う。


いきなり外国に飛ばされて言語も何もわからない状態での生活は少なくとも僕は生きていけない。


二つ目が、“固有スキル”と呼ばれる現地の人にはない僕らだけにある特殊な力。


人によって異なり、まるでゲームの職業みたいにバラバラのスキルが与えられている。


炎を操る者もいれば、千里眼のようなに遠くを見通す能力を与えられた者もいた。


そして僕に与えられたのが――影を操る能力『影操術』。


……正直、強いのか弱いのかよくわからない。


出来ることといえば、影の中に潜ったり具現化させたりする事ができる。


それから僕らには、二つの選択肢が与えられた。


勇者になるか否かだ。


勇者になれば、国からの安全と生活が保障され騎士団の保護下で生活し

世間に勇者として公表し国からの任務を受ける戦力として扱われる事になる。


次に勇者にならない選択肢をすれば、国から少しお金を受け取り王都を出る事になり

それからは現地の人と同じ一般人の扱いなる。多くの者は冒険者になり、魔物の討伐や薬草の採取をしたりする事になる。


国は僕らに寛容なようで判断は任せるとの事だった。僕を含め皆仲の良いグループで集まり今後どうするのか方針を各自で決めた。


「よしっ冒険者になるぞ!祐馬!」


クラスで唯一の友人『桐生麗音』が言った。

普段陰気な僕にいる数少ない友人の一人、僕らは二人で行動共にする。


「いや、もうちょっと考え――」


「考えなくていいっ!行くぞ冒険に!ロマンが優先だ!」


「でも危険じゃない?やっぱ勇者にならない?」


「いや、外にでるぞ!…それによ王様が本当は悪人で勇者を道具として扱き使うつもりかもしれねえし」


「まあ、確かに小説では良くある話だけど…ーーー


その後しばらく話し合い方針を決めた。


話し合いの結果、僕らは勇者にならない事を選び冒険者になった。





ーーーーーー






あれから半年が経った。僕は今クルドという商業都市で冒険者『ユウマ』として活動している。


異世界での生活にも慣れ、冒険者としてもBランクになり比較的楽しい日々を送っている。


「おいユウマ!新しい迷宮が見つかったらしいぞ!」


黒髪で大剣を背負った元気いっぱいの青年。麗音こと『レオン』が興奮した顔で駆け込んでくる。息は上がっているくせに、目だけはやたらギラギラしていた。


「……朝からテンション高すぎだって」


「当たり前だ! 迷宮だぞ!? 宝具があるかもしれねぇんだぞ!? 行くしかねぇだろ!!」


レオンが僕の腕を掴み、引っ張り上げようとする。


「ちょ、ちょっと待てって。まだパン半分残って……」


「そんなの後で食え! 迷宮だ迷宮!! 早くしないと先越されるかもしれねえ!」


こいつは人の話を聞かない。


だが気持ちも多少はわかる。まだ未踏の迷宮には未知の宝具や財宝がまだ残っておりそれらを獲得するチャンスがあるからだ。


「はぁ……分かったよ。まずは一旦パン食わせてくれ」


「十秒で食え!」


「無茶言うな!」


レオンは笑いながら椅子を蹴って僕の横に座り、身を乗り出してくる。


「で、その迷宮どこにあるんだ?」


「北にある峡谷の奥だ。昨日までは何もなかったのに、急に入り口が現れたらしいぜ!ギルドでもその話が出回っていてよ!その情報をさっき聞いてきたんだ!」


レオンは胸を張り、どこか誇らしげに言う。


だが本音を言えば僕は行きたくない。理由は当たり前だが、未知の迷宮は踏破済みの迷宮と違い魔物の強さや弱点。罠の情報が判明しておらず死人が多い。


死ぬリスクを増やしてまで冒険をしようとは思はない。だって他のクラスの奴が頑張って魔王とか全部倒してくれれば帰れるし。自分がそこまで頑張らなくても良いと思うし…。


「なぁユウマ、俺らで踏破しようぜ。宝具が手に入れば、一気に魔王討伐への近道だしよ!財宝を見つけりゃ大金持ちだ!」


だが、そう思わないのがレオンだ。異常なまで脳筋、どんな敵にも屈しない精神を持ち戦闘する事に生きがいを感じている。こいつはそんな男だ。


「……はぁ、まあそれは考えとくからちょっと待ってよ」


「今行くに決まってんだろ!」


「いや…だから…」


「いくぞ!!待っていろよ迷宮!!」


「……わかった」


この半年間で僕らは、かなりの実力になっている。


もう異世界での生活にも慣れて一人で迷宮に行っても大丈夫になっているのだが。


まあ、お互い一人で行って死んだら残った方が後味が悪いから結局一緒に行く事が多い。


…僕は、パンを飲み込み朝食を終え、迷宮へ向かう準備を始めた。



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