第2話風邪
僕は風邪を引いてしまった。
昨日、雨に濡れて帰ったからか。ピンポーンとインターホンが鳴る。お母さんの声が聞こえる。僕の部屋のドアが開くと、陽菜、瑠奈、小夜が来ていた。
「葵くん、大丈夫?」
と陽菜が話しかける。
「ちょっと失礼!」
と陽菜は言い、ひんやりとした手で僕のおでこを触った。思わず、僕は赤面する。
「うわぁ!顔が赤い!ちゃんと休みな!」
と陽菜は言う。陽菜の発言でさらに顔が赤くなる。
小夜は「陽菜ずるい」
と小さく呟く。
「こら、ちゃんと寝なさいよ!」
と、瑠奈が言う。
「分かった、もう寝るよ」
と言うと、お母さんは「はいそこまで、もう帰るんだよ」「はーい」と揃って三人は言う。こっそり、小夜は振り向く。
でも、僕は気づかなかった。机にはフルーツの詰め合わせの入ったタッパーが入っている。僕はそれを取り、フルーツを頬張った。そして、歯を磨き眠りについた。小夜が振り返ったのには深い理由があったのだ。
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