圧倒的な描写力に殴られます

本作には「価値のある男」と「価値のない男」が出てきます。

今よりもっと未来のお話で、国から「価値がない」と判断されれば、どこかの誰か、偉大な「価値のある人」の記憶を投与されて、意識を書き換えるというとんでもない話です。

さすがSF、と言いたくなるところですが、メインはその設定ではなく作中の描写力。

圧倒的一人称。
「価値がない」と判断された男の中を巡る様々な思考。
さらに、投与された薬により意識が混濁する描写は息が詰まるほどリアルで、いつのまにか引き込まれていました。

とても綺麗に纏まった一作だと思います。
皆様もぜひご一読ください。

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