第47話 あたしは躊躇なんてしねぇ

翌朝、隣を見てみるとナガレとシズクは寄り添いながら、仲良く寝ていた。


昨日どうなるのかと、ヒヤヒヤしたが、夕飯を食べ終わる頃には、シズの機嫌が直ってて、何がなんだかわからんかったが、丸く収まったみてぇでなによりだ。


あたしが着替えていると、シズクが起きてきて『キュイーン』と鼻を鳴らして、甘えながらすり寄ってきた。


あまりにも、可愛かったのでもふもふを楽しんだ。


そこにアカツキも起きてきて、更にもふもふが加わり、手が止まらない。


更にそこへ、あたし達がキャッキャッと騒いでいた事でナガレも起きてきた。


「朝から騒がしい」


「おお、起きたかナガレ、わりぃなあまりにも、可愛くてついな」


謝りながらも、あたしの視線は掛け布団からこぼれ落ちている、ナガレの美しい双丘と頂上のツンまでガン見していた。


いやぁ、朝から最高のもふもふと美しい丘と頂上は最高だ!眼福眼福。


着替えが途中だったことを思い出し再開した。


みんなの準備が終わり、食堂でこの宿、最後の食事を終わらせ、女将に次の大都市を聞いてみた。


「次って言ったら、そりゃこの国の国都テイトだね。このまま北上して行けば馬車で1ヶ月くらいで着くよ」


1ヶ月か、あたし1人ならすぐ着くと思うが、ナガレ達に合わせんなら20日くらいか?


あたし達は女将にお礼を言ってギルドに向かうことにした。


ギルドは朝から賑わっていた。


だが、あたし達が入ると、途端に静まりかえってしまった。


気にせずに、カウンターまで歩き、毎度ながら鬱陶しい呟きが聞こえてきた。


『おい、あれって昨日の····』


『ああ、なんでもここから歩いて半日かかるコカトリスの巣まで行って、ギガントコカトリスを6羽も討伐したうえに、ギルドへ数時間で帰ってきたらしいぞ』


『マジかよ』『スゲー』『カッコいい』などだ。


そこへ、あと少しのところで真横から図体のでかい男が割り込んできた。


なんだデジャブか?


周りの冒険者が『よせって!』『止めろ!』と止めていたみたいだが、間に合わなかったようだ。


あたしがなにかを言う前に割り込んできた男が絡んできた。


「おいおい、なんか文句があるっつう顔だな。お!良くみたらいい女じゃねえか!そっちの獣人の女も良い身体してんな」


男がナガレに右手を伸ばしてきたところへ、その手首を左手で掴み握り潰した。


『バキ』


「ぎゃあああああ」


男の骨の砕ける音と叫び声がホールに響き渡り、あたしはホールの入り口まで男をぶん投げてやった。


男は扉も破壊して外へ飛び出していった。


外では通行人達が『ぼ、冒険者ギルドから人が!』『きゃあああ』『右腕が····グチャグチャだ』など騒いでいるみたいだ。


あたしは今回もなにもなかったかのように、受付嬢に声をかけ、ギルドカードの提示と報酬の受け取りの申請をした。


受付嬢は『はひっ!』と顔を青くしながら一歩引きビクつきながら、カードを受け取り作業をしだした。


そこへ、老人とは思えないほどの早さで、2階から『いったいなんじゃ!』とギルドマスターが下りてきた。


ギルドマスターは辺りを見渡し、あたしに視線を止め、ため息をついた。


「また、お前さんらか。今度は何をしおったんじゃ?」


「さぁな」


あたしが答える気がないと知り、受付嬢に聞くことにしたみたいだ。


受付嬢から話を聞いたギルドマスターは、『まったく』と呟き、視線をあたしに向けてきた。


「仲間を守る行動とはいえ、手首を砕くのはやり過ぎると思うんじゃがな」


「知らねぇよ!殺さねぇだけマシだろが」


「はぁ········お前さんらは、ゴブリンを早期に発見し、報告までしてくれた。今回、ここではお咎めにはせんがな。他のギルドはこうはいかんと思うぞ」


あたしとギルドマスターのやり取り中に精算が終わったのか、受付嬢は報酬の麻袋を出していた。


あたしは麻袋を受け取り、中から金貨1枚を取り出し、『壊した分だ』と言って、カウンターに置いてから言い放った。


「同じようなことがあれば、あたしは躊躇なんてしねぇ!」


「····そうか、お前さんらには無用な心配じゃろうが、老人の戯言と思って聞いとくれ。儂の予想じゃとお前さんらの、次の目的地はテイトじゃろうか、ここからの道のりに、野盗の類いが出ると言う話を耳にした。気をつけてな」


あたしはギルドマスターの忠告に『ああ』とだけ答えてギルドを出てから、サツマを後にした。


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