帝都に到着!

あれからシオン達は帝都までの数日間の旅を続けていました。

そうしたらどうでしょう?

数時間ごとに盗賊に襲われるではありませんか?


そうなのです。

いつの間にかシオン達は盗賊ホイホイになっていたのです。

いやー、釣れるは釣れる!


捕縛した盗賊は縄に繋いで、着いた町や村の衛兵に引き渡しました。

これでこの辺りも平和になるでしょう。


終わり




「って、そんな訳あるかーーーー!!!!!!」


余りにも多い襲撃にシオンがついにキレました。


「まぁまぁ、落ち着いてシオン」

「はぁはぁ、ジークも何を落ち着いているのよ!こんなに襲撃されるのは異常だよ!これは絶対に私達を狙ってきているでしょ!」


シオンは宰相を睨みつけた。


「辺境の街に来るまでは襲われなかったの?」

「そうですなぁ。出発前には、10台以上の囮の馬車を出発させて、私も家紋の入っていないボロボロの馬車で来ましたからなぁ~」


おい!このクソジジイめ!

狙われていた事を秘密にしていやがったな?


「・・・それで、命懸けでルリちゃんの手紙を届けに来たって言うの?」

「こう見えても、皇帝陛下と筆頭賢者ルリ様には信用されておりますので。そしてここまで盗賊を倒した腕を見て確信致しました。リスクを取ってもあなた方を味方に付けてよかったと」


「まだ完全な味方じゃないからね。帝都に着いたら納得のいく説明を聞いてから全面的に協力するかどうか決めるからね!」


「はい、それで構いません」


まったく抜け目のないお爺さんだわ。

でも、だからこそ信用して私達の所に寄越したのね。

捕縛した盗賊達は何も知らされてないようで、金持ちの商人が少ない護衛で通るからと、同業者から情報をもらっただけのようだった。


そして、ようやく帝都まで半日の距離までやってきました。

そこで私達は初めて異形の魔物と出くわしたのです。


「おらっ!死にたくなければ積荷を置いていけ!」


どうして盗賊や山賊はみんな同じセルフを言うのだろうか?

道の真ん中を陣取って馬車を止めた盗賊が言いました。人数は15人ほどですが、周囲に魔物がいました。襲われていない所をみると、従えているのでしょう。明らかに通常の個体と違う魔物ばかりでした。


「ようやく本命の登場かしら?みんな気をつけてね」

「ああ、任せておけ」


ここはジークとレオナに任せることにした。


「ヒジリちゃんは馬車を結界で守ってね。向こうの狙いは宰相さんだから、帝都の手前で何をしてくるか分からないから」


「了解です!聖女結界展開!」


ノリノリだから良いけど、その言葉恥ずかしくない?

シオンはすぐに前方の盗賊達を見渡した。


『どうやって魔物を従えているの?魔法か魔導具か・・』


所詮は多少強くなったとはいえ、ゴブリンはゴブリンである。森や洞窟で戦うのならともかく、街道の道で襲ってきた場合、それほど手こずる相手ではない。レオナとジークはテキパキと盗賊と魔物を片付けていった。


「さて、後はお前だけだぞ?」


大きな木に追い詰められたリーダーっぽい盗賊が腕を大きく上げて叫んだ。


「クソッ!?楽な仕事って聞いていたのによ!テメェらも道連れにしてやる!!!!」


男の腕には黒い腕輪がしてありそれを起動させた。

腕輪からは不気味な赤黒い光が漏れ出して当たりを光らせた。


「何?あの嫌な感じの光は」


リーダーの男は最初こそは笑っていたが、次第に静かになり───干からびるように死んだ。


「死んだ・・・?」


唖然としているシオン達にレオナが叫んだ。


「気を付けろ!アレは装着者の魔力や生命力を吸収した呪われた魔導具だ!」

「ぜ、全員、警戒して!何が起きるか分からないわ!」


そう、問題は装着した者の魔力や生命力を吸収して何が起こるかということだ。

少しすると、死んだ魔物達がゴソゴソと動き始めた。


「うわっ、気持ち悪るっ!?ジーク、あの腕輪破壊できない?」

「やってみよう」


ジークは炎の魔法を放った。

すると当たる前に、腕輪に吸収されるように消えた。


「マジかよ!なら物理で──」

「待て!すでにアレだけの魔力と生命力を吸収したんだ。下手に破壊すると爆発するぞ!」


!?


物理もダメ、魔法もダメとなると・・・ピコーンッ!

閃いた!


「ならこれはどうかな!」


シオンは腕輪の周囲を聖なる結界で封じ込めた。

すると赤黒い光は収まり、動いていた魔物も動きを止めた。


「聖属性の魔力の結界は吸収できなかった見たいね」

「流石はシオンお姉様です♪」


問題はこの腕輪をどうしようか?

結界を解くとまた動き出すよね?と、仲間と一緒に考えようとしたが事態は急変した。


結界の中で腕輪が形を変えながら動き出したのだ。

死んだ男を取り込むとスライムのような形となって結界ないで蠢いた。


「まさか、あの腕輪は生きているのか?」


レオナの言葉にシオンも警戒を強めながら聞いた。


「何?魔物が腕輪に変化していたってこと?」

「まだ分からないが、腕輪に何か寄生していたとは思うわ」


このままだとヤバい気がすると思い聖水でも掛けようとした時、声が聞こえてきた。


「タリナイ・・・もっと、エサがホシイ・・・・」


!?


「なら聖水を喰らえ!!!!」


一瞬だけ真上に穴を開けてそこから聖水を流し込んだ。

すると結界の中はガラス瓶に閉じ込められたようになり、スライムもどきは黒い煙を出しながら悲鳴を上げて消滅していった。


「あのスライムもどき、吸収した男の声を真似て喋っていたよ。もしかしたら予想以上にヤバいことになっているのかも知れない」


最後で後味の悪い感じになったシオンは、みんなに注意しながら進もうと号令を掛けるのだった。










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