この作品を読んだあと、まず思ったのは、「これはコメディ……いや、ホラー? それともミステリーなのか?」
ということ。
いや、最後まで読んでいただければわかるのですが、先ほど挙げた全ての要素がこの一つの作品につまっているんですよ。
このエッセイは、筆者が2008年にあるカラオケ店に行った時の体験談なんですけどね、そこでいつもは絶対に空いてない部屋に入ることができたみたいなんです。
そしてその部屋に入った瞬間、部屋の電気が明滅したり、机が動いたり、コブクロの蕾が勝手に流れたり……などなど、怪奇現象が次々と起こる(一部、明らかにそうでないのも混じっているが)。怖い……!
結局、あの怪奇現象はなんだったのか。
いろいろと考察できて、それがまた楽しい。
これはカラオケに行く人、特にヒトカラをする人は他人事ではないと思います。
勢いがある文章で、怖がらせてきたり笑わかせてきたりする、素晴らしいエッセイでした。
コブクロの蕾を流しながら読むとよりいっそう臨場感が増すので、そうすることをおすすめします。
お馴染みプロ作家、初美陽一先生の思わぬ「怖いノンフィクション」なお話。
カラオケ店で経験した奇妙な心霊現象(?)を、いつもの軽いタッチで描かれております。
……そう書くと「なんだ怖くないのか」と思われるかもしれませんが、実は逆です逆。
ほら、ホラー映画なんかでも、腹の座った主人公とか怪奇現象に詳しい霊媒師とかいれば頼もしさがあって、少し怖さが薄れるじゃありませんか。
本作は逆に、いつものちょっと軽いノリの先生がそのまま怪奇現象に巻き込まれてドタバタするお話だけに、どこか頼りない(失礼)というか、バッドエンド一直線的な不安を煽ってくれるわけですよ。
ほら、よくあるでしょ?ホラーやパニック映画でよくある「最初の犠牲者」。
あれって大抵がバカップルか、日常を感じさせるちょっとお軽い人が多いじゃないですか。
まさにそんなハラハラドキドキな展開が語られているスチャラカホラー、短いので是非お楽しみくださいな。
そして明日には貴方も同じような経験を……あ、私もか。
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
これは紛れもなくホラー。なのになぜか、笑えてしまう!!
本編の主人公(作者)は一人カラオケが趣味。その日もカラオケ店に入るのだが、そこで不思議な出来事が。
その店には、「いつも客を入れていない部屋」が一つだけあった。
それにも関わらず、その日はなぜかその「開かずの間(?)」に案内されることに。
一人カラオケ、という状況が恐怖を生む。これが大人数ならば少しは緩和されたかもしれない。でも、そこには自分一人しかいない。
そして、「恐怖の時間」はやってきた!
突然、カラオケの機器に異変が。自分が入れたはずの曲の予約が勝手に消える。そうかと思うと誤作動なのか、勝手にナンバーが入力される。しかも数字が「424242」と。
結果、流れ出すコブクロの曲(超怖い!)
さらには、いきなり動き出すテーブル(足をぶつけたせいで!)
さすがに店員の元へ行き、その部屋はなんなのかと問うが……。
その後は「霊現象(的なもの)」からは距離を置くことが出来るが、この話にはまだまだ続きが。
一体、彼の見たものはなんだったのか。その日、カラオケ店では何が起こっていたのか。
ホラーでもあり、ミステリーでもある。それでもって、なぜか不思議と笑えてしまう。
そんな絶妙な爆笑恐怖体験エッセイ。是非とも読み込んで、「真相」はなんなのかを考えてみて欲しいです。