読む前に感じていた印象は一次関数(題やあらすじからそのような印象を抱きました。独立変数は「経験値」で、従属変数は「好感度」と考えると、とても面白い題名だなと思いました)。
読んでいる最中に感じていた印象は『神はサイコロを振らない』でした(最新話まで到達できていないため、あまり穿った見方はできません。ご容赦ください!)。
ともかく本作の感想を以下に記しておきます(第10話までの感想)。
文章に最も魅力を感じました。
ある場面ではヒロインたちの悲劇に優しく寄り添い、ある場面では主人公の燃ゆる野心を明示し、またある場面ではヒロインたちの救済を象徴的に描き切っておられました!
つまり情景描写と心理描写がとても「洗練」されているために、物語全体が「美しく」輝いているのだと思います。
だからこそヒロインたちへの「同時プロポーズ」に強い説得力があり、カタルシスがあるのだと思いました。
仲間だと思っていた男の陰謀によりパーティーを馘になり、恋人からも捨てられ、実家からは勘当され、莫大な借金まで背負ったレオンが、「運命鑑定」という無敵の能力で大逆転を目指すファンタジーです。10話まで読みました・
冒頭がちょっと急すぎるようにも感じましたし(四人の仲間がいっぺんに揃ってしまうし)、何せ運命鑑定という能力が無敵すぎて、少し緊張感に欠けるところがあるのは否めません。ですが一方で、誰からも見捨てられ、底辺と思われていたメンバーが成功を掴むサクセスストーリーとしては、非常に強力な掴みで、この先の展開が楽しみになるような魅力があります。
また、確かに運命鑑定は強力ですが、それを使うレオンの「人を動かす能力」がしっかりと描写されているため、ただ能力だけで簡単に敵を倒すという単調さはありません。四人のヒロインも含め、そこらの人物描写が上手いなという印象を持ちました。
底辺からの大逆転というようなタイプの物語がお好きであれば、文句なく楽しめるファンタジー冒険物語です。