幼い白雪ちゃんの「純粋すぎる危うさ」と、周囲の大人達が抱える現実が絶妙に交差していく本作は、ただのコメディでは収まりきらない深みがあります。
園のおゆうぎ会、ショッピングモール、家庭内の日常……どのシーンも一見ほのぼのしているのに、どこかヒリついた空気が漂い、読者の心をつかんで離しません。
白雪ちゃんの無邪気ゆえのトラブルメーカーっぷり、母・須美さんの強烈なキャラ、そして父・新羽さんの報われなさがもたらす笑いと切なさ。
このバランス感覚が本当に絶妙で、「こんな展開読めないって!」と何度も声が出ました。
特に、子どもの可愛さと危うさを同時に描ける作風は、作者さま独特のセンスが光るオンリーワン作品だと強く感じます。
笑えて、ちょっと怖くて、でもどこか愛しくて忘れられない。
ブラックユーモアが好きな方には確実に刺さる、強くオススメしたい一作です!
みんな、イケメン/美少女になりたいかーっ!?
当然だよね。
イケメンに「イケメンにはイケメンなりの苦労があるんだよ」とか言われても、「贅沢な悩み言ってるな、リア充爆発しろ!」と心のなかで血涙を流すことでしょう。評者もそうだったもん。イケメンだったら人生バラ色だっただろうな、なんて。
でも、そんな「美形であること」に税が課されることがあったならどうでしょう。
この作品はそんな突拍子もないifから生まれた作品です。
まず定義として「税」には2種類ある。一つは「有名税」と言われる現在でもある社会的税。こちらは金銭負担ではありません。
もう一つは「金銭的税」。まさに美しいと金が取られる税です。
そんな全体構想を踏まえつつ、本作品は金銭的税が導入される以前の物語となっています。そのため、主人公、白雪が払うのは社会的税だけですが、そんな世界でも望まぬ者たちからの好意や変質者の接近など、さまざまな「社会的税」の脅威が迫ります。幼稚園生である本人はそんなことには思いもよらず、至って呑気ですが。この子の将来が不安……。
あくまで長編の導入部分を切り取っている物語ではありますが、いつか書かれるかもしれない続編への期待が高まる作品です。ぜひ、ご一読ください!