第3章
第30話
「ここより先は、黄泉の因果が混じり、
「穢れは、神々の
「
彼女の華奢な体に纏われた、赤と白の神々しい巫女装束は、後ろで半分束ねた白銀の長髪とよく似合い、幼さと神々の巫女としての威厳を併せ持っていた。
3人が鳥居をくぐり、黄泉比良坂から少し距離のある、古びた鳥居の前に出た。
「ふむ。この場はやはりあまり手入れがされておらぬな。先ずはすぐにここから西へ……ん、何か、妙な声が聞こえぬか?」
「うわあああぁぁあーーーんッ!!」
凄まじい号泣と共に、鳥居の中から
「嫌だーーッッ!! 置いてかないでェーーッッ!!
「ひ、ひおりん……。流石に退化してしまった
「こらーっ!お主はまた性懲りも無く無茶をしおってーっ! あの時は助けられたが、その体をどれだけ心配しておると……」
予想外の事態に、
「もう、しーろったら。また転んだの? ほら、おいで」
姉妹のようなやり取りに、どちらが年上か困惑する
「……はぁ。致し方ない。では、
しばらく歩き、
「この
「これが、姉上が危惧していた、根源の崩壊か。
その横で、
「ねぇ、よみちゃん」
その呼び方に、
「……な、なな、なん……!?」
「よみちゃんって、
横で聞いていた
「わあ、よみちゃんだ!いいね、
「き、
「ふん!何をいまさら。儂がそう教えたのは、幼い
この一瞬の和やかな光景は、しかし、すぐに破られた。
一行が、大きな岩山の
「……来たか。
その瞬間、岩山の影から、もはや数を数えるのも馬鹿らしくなるほどの、およそ数十体もの気性の荒い妖怪の群れが姿を現した。
先頭にいたのは、狂気に染まった野犬のような姿をした
さらに、その背後からは、
「貴様らごときが、儂の娘に手を出すか!」
「まずはお主らに基本の戦い方を見せてやる!
「
結界の死角から、一体の
―その時だった。
鋭い稲妻は、迫りくる
予想外の出来事に、
―だが、すぐに彼女の目は大きく見開かれ、まるでこの
遠距離から放たれた稲妻は、鞭のようにしなるどころか、一本の光の糸のように完璧な精度にまで達し、敵の霊核を貫いた。狂乱した
光の糸は数十体の妖怪を瞬時に捌き切り、
「な、なんと……!」
「ひょえっ……ォェ゛ッ」
そして
(なんだ、この力は……! 儂の
「……ふむ。見事な応用よ、
―数刻後。
「ふむ……予想以上の消耗であったわ」
(
「
「……致し方ない。儂の娘を、この穢れの地で一歩でも進ませるためだ。それに、
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