大人には、事情ってもんがある。
一階にあるリビングに降りて、主人公は遊びまわる子供たちに怒鳴る。
遊んでいるのは、姉夫婦の姉弟だ。
昔はこんなおじちゃんじゃなかった。そこには複雑な事情があり……
主人公の両親は、祖父母との関係がうまくいっておらず、主人公はおじいちゃんっ子だったためだ。
それで両親は主人公よりも姉に愛情を注ぐようになり、こじれた家族関係は修復が難しくなってしまっていた。
何より、大好きなおじいちゃんの法事に出席するのを、姉が嫌がったあたりから、
主人公は姪、甥の前で、怖いおじちゃんになった……。
つまり、悪役になったのだ。
やがて主人公は再び実家を離れ、十年と言う時が経ち……
甥っ子と再会することになるのだが……?
個人的にものすごく好みの作品でした。
家族というしがらみ。うまくいかない人と人との関わり。
それでも、愛さずにはいられないのが、家族である。
お勧めいたします。
ご一読を。