第6話 51~60
⇒
アナログ時計は嘘つきだ
誰かが勝手に針を回す
電波時計も嘘つきだ
怪しい電波を拾ってくる
懐中時計も嘘つきだ
懐の中の時計は壊れている
日時計は正直だ
最後の日だけ嘘をつく
腹時計は正確だ
戦にいく前の時間を報せてくる
カチカチカチカチ時計が動く
止まった瞬間、息も止まる
⇒
宇宙人と遭遇しました
××地点まで来てください
今×××です
××地点まで来てください
来てください
来てください
宇宙人と遭遇しました
ピーピーピーピーピーピー
宇宙人と
ピーキュルルルルルルルルル
う
⇒
ようこそ、異世界から人がやって来た
その人はこの世界を救うのだと言って動き出した
頑張って頑張って偉くなった
そして
ちょっとした暴動を起こし、過激なテロを起こし、戦争を起こした
その人はこの世界の歴史を知らなかったんだね
別の世界からやって来たんだから
ま、しょうがないよね
⇒
異世界に行ったことがある人はすぐにわかるよ
体の一部が欠けている
使った切符は欠けているものでしょ?
その人は二度と使えない使用済みなんだよ
未使用ならどこへでもいけるね
⇒
おかえり、異世界から人が帰ってきた
その人はたくさんの知識と技術を持ち帰った
そしてとうとうこの世界は異世界と繋がった
そして
侵略された
故郷を売るなんて、とんでもないスパイだね
⇒
前の人なら相談できるかもしれない。たしか、たしか、アカウントの画像も名前も普通に表示されてた気がする。だから間違いだと思って、普通の対応を、さらっと無視して退会しようとしたんだ。できなかったけど。
そうだ! そうしよう!
明らかにおかしい日付に寒気がしていた。なんかヤバいんじゃないかって。だから余計に気分を明るくしようとした。
もう何も見ないでスクロールした。見たくなくて、文字化けした名前も、真っ黒に塗り潰された円の中も、全部スクロールした。
そしたら見つけたよ。自分以外にいきてるアカウント。自分と同じように色がある画像、文字として読める名前!
ワケわかんないグループに入れられて同じ不運にまみれた誰かさん! 向こうには悪いけど、仲間がいれば百人力。この不安から解放される!
迷わず通話ボタンを押した。迷惑とか考えずに、もう、すぐに終わらせたかったから。だから出てくれるとも思ってなかったよ。本当に衝動のままの行動だった。
そしたら、
出たんだ。
繋がったんだよ。
⇒
異世界から人がやって来て帰っていった
大体こういうのって、とんでもない地雷を置いてくよね
例えば化け物の卵とか
⇒
玄関の前に誰かいるんだ。
誰かいますか?
訊ねたけど返事はない。だけど、誰かいるんだ。
だって
だって、だって
ドアが叩かれているんだ。
ずっと
ずっと
うるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさいうるさい
ああうるさい
⇒
耳鳴りがする
耳の中で音がする
耳のなかでこえがする
がさがさ騒がしいむしは棲む
ざわざわきしきしもーしもし
聞こえてるんだろ?
⇒
寒気がしてる時ってさ
誰かに肌を撫でられてる感じと似ていない?
だぁれもいないのに
だれかにさわられているんだよ
⇒
桜の木の下にたからものが埋まっているよ
校庭の
ほら
ずっと
まっているよ
⇒
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