第5話 41~50
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一人暮らしを始めた
手紙が入っていた
「隣人です。私はあなたのドッペルゲンガー」
気持ちが悪くて無視をした
どうしても隣人に会わなくてはいけなくなり、呼び鈴を鳴らし、扉を開いた
ああ、会ってはいけなかったんだ
だから会いたくなかったのに
事故物件の部屋が同日に二部屋できてしまった
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博物館では
武器と鎧兜、甲冑及び軍服の類いは近場に展示してはならない
連れ立って戦や戦争に行ってしまうから
問題は中身を得てから行ってしまうということ
誰かを連れていくんだ
物は戻ってくるかもしれない
人は、命は戻ってこない
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どっかの村落がダムに沈んだそうなんだけど
そこ、始めから誰もいなかったらしいんだよね
家とか店とかは普通にあったのに
そうだ
なんか、大きな生き物が体を引き摺ったみたいな跡が道にたくさんついてるみたいだよ
なんだろうね
あそこだよ
電波用の鉄塔がたくさん並んでるあの村
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雨が止まない
雨が止まない
雨が降っては泣き止まない
粒に溶けた悲鳴は知れず
時計よ止まれ
落ちる前に時間を戻せ
時計よ止まれ
流れる前に時間を戻せ
雨は止まない
どしゃ降りの雨の中を駆けていく
友の背中は消えていく
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死亡率0%の病院ってあると思う?
あるんだよ
今にも死にそうな人が入り口から入ってく
帰りは別人みたいに元気になって出ていく
ただね
裏口からは出入りしちゃいけないらしいんだよ
特に夜の時間には
ねえ、なんでだと思う?
死体が出たら順番待ちの幽霊を入れてかえすからだよ
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ピンポーンピンポーンピンポーンピンポー
もしもしもしもしもしもしもしもしもしも
うーうーうーうーうーうーうーうぅぅぅぅぅ
カチ、カチ、カチ、かちかちかちかちかち
⇒
玄関の前に誰かいるんだ
それはチャイムを鳴らして、入れろと言ってくる
ドアを開くとそこには誰もいない
閉じて振り返ると、
そこには
泥の足跡がべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべたべた
⇒
隙間から手が出ていたんだ
だからね、握手したんだ
それで?
握手しただけなんだ
ねえ、握手しようよ
⇒
釣りに行ったらね
人魚に会ったの
上半身を水から出して、こっちを見ながら笑っていたの
そしてゆっくりと潜っていったの
近くの海岸で足だけ見つかったそうだよ
あの人、人魚になれたんだね
⇒
18禁の本が捨ててあってさ
見ちゃったんだよね
なかなかグロくて
で、放置したんだけど
気になってまた見に行ったんだ
そしたらさ
その本の写真と同じかっこうの人が転がっててさ
エロい話?
その人、死んでたよ
遊ばれて棄てられたんだ
オスもメスもろくでもないよな
⇒
百物語をやったんだ
最初に言い出したの、だぁれだ
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