淡々と綴られる一日の描写が、読み進めるほどに不穏な重さを帯びてくる。反復される工程や食事の描写がリズムを生み、その単調さ自体が物語の主張になっているように感じられる。後半で明かされる「神になる時間」は突飛でありながら、現実逃避とも救済とも取れる曖昧さを残し、問いを投げかけてくる。人間とは何か、働くとは何かを、静かに突きつけてくる短編だと思う。

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（368文字）

主人公は人間らしい所作と言いながら、まるでロボットのように工場で働きます。
一方で、家に帰ると「神」のように振る舞うことができてしまう。
その違和感が、はたして人間らしさとは何か、と私たちに問いかけているかのように思えてきます。
短いながらも考えさせられる話です。

「私」は実に「人間らしい」生活をしている。
規則正しく、時間通りに、同じ仕事を繰り返し繰り返し……。

「え、どこが人間らしいの？　むしろロボットみたいじゃない？」
そう思ったあなた。まさにその通りです。

『私は人間』というタイトルに反し、何だかロボットのような生活が綴られる本作。
もしかして、本当はロボットの話なのでは？
そんなことを考えながら、読んでいくと……。

人間らしさって、何だろう。そんなことを考えさせてくれる物語。
ところであなたは、人間ですか？

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（83文字）

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（58文字）

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（321文字）

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（102文字）