閑話:白豚君もおだてりゃ木に登る(300字)



(僕の高校生活は終わった……)


 【冷血】【病院送り】なんて呼ばれる相良さん。その彼女に僕は体育館裏に呼ばれたのだった。


 ただ、決めつけは良くない。

 相良さんはもしかしたら僕に告白を――なんて期待をした僕はバカだった。








「VTuberの中の人? 無理!」 


あんまりだ。99.8kgの男子に女性容姿アバターを演じろとか無茶苦茶だ。断固拒否――。


「……樋ノ下君ってやりもしないのに諦めるの? 諦めたらそこでは終了だよ?」

「悪寒がするの、どうして?!」


 この反論も今から考えると虚しい。その声が良い、樋ノ下くんだから頼んでる、なんておだてられて。豚もおだてりゃなんとやら。僕は最初から相良さんの掌の上で踊らされていたようだった。




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X創作企画

毎月300字小説企画

@mon300nov

第36回テーマ「踊る」で参加。


カクヨム換算、300字でした!


明日からまた本編連載に戻ります!

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