このお話は卵子視点の「わたし」が、自らの希少性や受精までの道程をコミカルかつ理系寄りに語りつつ、偵察魂を通じて両親となる考子と新の会話や日本社会の少子化問題に触れていく物語です。受精に至る精子側の壮絶な旅路と、使命を託して消えていく精子の言葉、そして着床後の急速な発生過程が、ユーモアと知識を織り交ぜて描かれます。卵巣から卵管を通じ、精子軍団に取り囲まれて突進され、着床、分裂していく様子も生々しく描かれなかなかにシュールです。また現在の社会問題、スポーツ大会など社会の諸様相を批評を交えながら語る様子はなかなかに含蓄があります。みなさんもいかが?