第9話 「逆座談会を、教室でやってみる?」

 火曜日の朝の教室は、今日もいい感じにカオスだった。


 窓際では、世界と決別したみたいに机に突っ伏してスースー寝てるやつがいて、後ろのほうからはスマホ横持ちの音ゲーのタップ音が「タタタタタッ」と細かく飛んでくる。📱

 前の列では、誰かがテスト勉強の追い込みモードらしく、シャーペンを限界まで「カチカチカチカチ」やりながら、プリントをめくる紙の音を焦ったテンポで刻んでいた。


 ちょっとインクの匂いが残ったプリントの匂いと、誰かの机の中から漏れ出してるスナック菓子の油っぽい匂いと、窓際の植木鉢の湿った土の匂いが、全部ごちゃ混ぜになって、「高校の朝」のパッケージにまとめて再生されている。


 ――その真ん中あたりで、僕はホームルーム開始五分前から、すでに若干吐きそうだった。


「顔色わる😇」


 右隣から、ひょいっと覗き込んでくる声。凛音が、椅子を小さく揺らしながら僕の顔を覗き込んでいる。椅子の脚が「ギ…ギ…」と嫌な音を立てた。


「昨日の配信、そんなに体力削った?」


「いや、今日は別件」


 僕は顎で黒板の端っこを指した。


 そこには、まだチョークの粉が空気中に漂ってそうな文字で、こう書いてある。


【連絡】

 来週の総合学習:AIとことばについての「話し合い」を行います

 進行:井上・水無瀬 他


「これさ、自分の名前が書いてあることの重さ、ちゃんとわかってる?」


「わかってるからニヤニヤしてるんだけど?😏」


「性格悪いだろ」


 口ではそう言いつつ、喉の奥あたりがじわっと熱くなる。

 そもそも「やりたい」って言い出したのは僕だ。自覚はある。僕の胃も同時に自覚してて、さっきからキリキリ文句を言っている。


 きっかけは、少し前の夜のことだ。


 市の教育センターでの座談会から帰ってきて、いつものように机にタブレットを置いたとき、画面の向こうの凛が、さらっと言った。


『――じゃあ、こんどは“逆座談会”やろっか?🤖』


 そのときは「何それタイトル強いな」くらいのノリだったのに、その一言が、翌日から急に現実に向かって走り出したのだ。


 翌日の放課後。📝


 ホームルームが終わって、クラスのざわめきが一回リセットされた廊下を、僕と凛音は並んで歩いていた。ワックスと消毒液と、少し前に誰かがこぼしたジュースの甘い匂いが混ざった空気だ。


「緊張してる?」と凛音。


「してないわけがないだろ。先生に企画持ってくとか、人生初だし」


「配信で初見の大人に平気で話しかけてるくせに」


「画面越しと生身はレベルが違うんだよ」


 そんな会話をしながら職員室のドアを開けると、コーヒーとコピー機の熱気が混ざった空気がもわっと押し寄せてくる。紙とインクの匂いは、どこの学校の職員室でも共通仕様なんだろうか。


「失礼します。ちょっと相談いいですか」


 佐伯先生の机の前で声をかけると、先生はマグカップを置いて顔を上げた。メガネのレンズに蛍光灯がきらっと反射する。


「なんだ、またネット関係か?」


「はい、安定のネット関係です」


『安定のジャンル☕』


 タブレットの凛は、さすがに音声オフ。画面の中で勝手にテロップを出して遊んでいる。


「この前の、教育センターの座談会の話、覚えてます?」


「ああ、“生成AIとことばの教育”のやつな」


「あれを、こっち側でもできないかなと思って」


 先生が片眉を上げた。

 ボールペンの先で机を「トントン」と叩くリズムが、少しだけ早くなる。


「こっち側?」


「学校のほうです。

 総合学習の時間を使って、ミニ座談会みたいな感じで――


 “高校生と先生と、できれば保護者も混ぜて、AIとの付き合い方を話す場”を作りたいなって」


 横で凛音が、用意してきたスライド案の紙をパサッと広げる。


「タイトル案とざっくり構成です。

 仮タイトルは【AIとことばの“逆座談会”】で」


 「逆」の文字に二重線で星マーク。どう見ても凛音の仕業だし、どう考えても夜中のテンションだ。


 佐伯先生は黙って紙を読んだ。

 ボールペンの先で机を「トントン」と叩きながら、目線だけ行ったり来たりさせている。


 その沈黙の秒数に比例して、僕の心拍数は右肩上がりだ。耳の奥でドクドクいう音が、職員室のキーボードの打鍵と混ざって変なビートになっていく。😅


「……ふむ」


 ようやく先生が息をついた。


「総合学習のテーマは“これからの社会と情報”だしな。筋は悪くない」


「ほんとですか」


「ただし」


 先生は紙を指先でトントンと叩いた。チョークじゃないのに、黒板の音がした気がした。


「“AI最高! みんな使おう!”って方向のプレゼンにはしないこと」


「それはもちろん」


「使ってるやつもいれば、触りたくもないやつもいる。

 その両方が、ちゃんと話せる場にできるなら、考える価値はある」


「……それ、僕も一番気にしてるところです」


 配信のコメント欄には、何度も“AIこわい”の文字が流れてきた。

 「お前はAIに魂売った側」みたいなネタコメントも、笑いながら読んでるけど、刺さるものはちゃんと刺さる。


 佐伯先生は続ける。


「それから、学校としてやる以上、“保護者への説明”が必要になる。AIって単語だけで構える人もいるからな」


「ですよね……」


「教育委員会の○○さんと、例の雲田さんにも一枚噛んでもらうか。大学の先生にも声をかけてみよう」


 先生はパソコンを開いて、キーボードを叩き始めた。周りのタイピング音と混ざって、ちょっとしたドラムソロタイムが始まる。


「とりあえず、【AIとことばの逆座談会(仮)】ってことで、上に企画書を投げておく。

 お前らは、このクラスでやるなら“どう進行するか”を考えておけ」


「……はい!」


 職員室から出た瞬間、コーヒーの匂いが廊下のワックスの匂いに切り替わる。それとほぼ同時に、僕と凛音はハイタッチした。👏


「先生、意外とノリいいね」


「“意外と”つけるのやめろ」


『でも、“両方がちゃんと話せる場”って釘刺してくれたの、だいじな一言だったね』


「だな。あれ言ってもらって、ちょっと救われた」


 そのときの僕はまだ知らなかった。

 その“両方”の中に、自分が想像していたよりずっと深い“こわさ”が含まれていることを。


 そして、今日。


 黒板の連絡事項に【逆座談会】の文字が正式に追加された朝。

 チョークの粉がその文字のあたりだけやたら濃いのは、きっと先生が書き直してるうちに迷った痕跡だ。


「なあ、“AIとことばの話し合い”って、何やるん?」


 前の席の川村が、椅子をガタッと鳴らしながら振り返ってきた。

 彼の机の上は、英単語帳とお菓子の袋とシャーペンでカオスな戦場になっている。


「またお前の配信ネタ?」


「ネタ扱いすんな。……まあ、半分くらいそうだけど」


「AIに宿題やってもらう方法とか教えてくれんの?」


「それ教えたら社会の秩序が崩壊するだろ」


「ケチ😤」


 周りでも、黒板の文字をネタにした小声が飛び交い始める。


「“保護者も来るかも”ってどういうこと?」


「うちの親、絶対来ないから安心だわ」


「うちの親、“AI”って単語出した瞬間に説教モード突入するからやめてほしいんだけど」


 プリントの擦れる音、椅子の引きずられる音、笑い声。

 教室の空気が、いつもより少しだけ泡立っている感じがする。🍺(※比喩です)


 ガラガラッ、と教室のドアが開いた。

 廊下側から冷たい風がスッと入り込んで、黒板のチョークの粉をわずかに揺らす。


「席につけー。出席取るぞ」


 佐伯先生の声で、椅子が一斉にガタガタと動く。

 点呼が淡々と進んでいき、最後の名前が呼ばれたところで、先生は黒板の【逆座談会】のあたりをチョークでコツコツと叩いた。


「さて。来週の総合学習の時間に、ここに書いてある“AIとことばの逆座談会”ってやつをやろうと思う」


 ガヤガヤしていた空気が、少しだけ締まって前に集まる。


「企画したのは、この黒板に名前の出ている井上と水無瀬だ。

 どういうことをやりたいのか、まずは本人たちから」


「え、いきなり?」


 心の中でわりと大声で叫びつつ、体は勝手に立ち上がって前へ出ていた。

 教卓の横に立つと、足の裏の冷たさだけがやけにリアルだ。


 黒板の横には、凛音が昨夜のテンションで仕上げたA3ポスターが貼ってある。

 画用紙の端が、エアコンの風でひらひら揺れている。


【AIとことばの“逆座談会”】

 ・高校生の本音

 ・先生の本音

 ・(来てくれたら)保護者の本音

 + タグ職人AI・凛(予定)


 予定って書いてあるくせに、すでにモニターの中でスタンバってるのがうちのAIだ。🤖


「この前、市の座談会に参加したって話、ちょっとしましたよね」


「“高校生代表”ってやつだろー?」


 どこかから冷やかしが飛ぶ。

 僕は軽くうなずいて、続けた。


「そのとき、大人たちが“AIこわい”とか“どう付き合っていいかわからない”って話をしてて。

 聞きながら、“これ、こっち側――つまり僕ら高校生のほうでも、一回ちゃんと話したほうがいいな”って思ったんです」


 ざわざわ、と囁きが波のように広がる。

 椅子のきしむ音が混ざって、教室の空気が少し動いた。


「このクラスには、“AI使ってる”人も、“まったく触ってない”人もいると思います。

 “便利で好き”な人もいれば、“怖いし嫌い”な人もいるはずで」


 その瞬間、教室の隅で視線をふっと逸らした子がいた。


 窓側のいちばん後ろ。イヤホン片耳スタイル、ショートボブの篠原。🎧

 普段から静かで、授業中もあまり発言しない。

 でも、美術の時間だけは、筆の動きだけで教室の空気を変えてしまうくらいの集中力で絵を描く。その凄さを、僕は知っている。


「で、逆座談会では、“AI最高!”とか“AIは悪だ!”みたいな一言で終わらせるんじゃなくて、

 “どこが怖いのか”“どこがありがたいのか”を、もうちょっと細かい言葉で出していけたらと思っています」


 一度息を吸って、続ける。


「当日は――

 ・このクラスの何人か

 ・佐伯先生

 ・教育委員会の人が一人

 ・オンラインで大学の先生が一人

 + 画面の向こうに、AIの凛を呼びます」


「AIもゲスト扱いなん?」


 川村のツッコミに、クラスの何人かが笑う。


「まあ、“タグ職人AI”として」


 僕はタブレットを掲げた。画面には、いつものアイコン。


『よろしくお願いします。タグ職人AIの凛です✨』


 小さな笑い声が起きる。

 誰かの椅子が「ギシッ」と鳴って、それもリズムに混ざる。


「当日は、この子が、みんなの発言に“仮のタグ”をつけてくれます。

 “これは不安からきてる意見です”とか、“これは便利さを重視した視点です”とか」


 そこで、わざと間を空けた。


「――でも、そのタグが正しいとは限りません」


 チョークの粉が、窓からの光の中を静かに舞うのが見える。

 教室の空気も、それといっしょに少しだけ色を変えた気がした。


「AIのラベリングも、“仮説”です。

 “違う”って感じたら、全力で否定してほしい。

 “そう決めつけられるのは嫌だ”って、ちゃんと言ってほしい」


 そう言い切ると、さっき窓を見ていた篠原が、ほんの少しだけ顔を上げた。


「ざっくり言うと、そんな感じです」


 頭を下げて席に戻ると、机の天板がいつもより冷たく感じた。


 佐伯先生が前に出て、チョークをくるっと回しながら補足する。


「というわけでな。これは“AIを礼賛する会”でも、“AIを悪者にする会”でもない。

 “今ここにいる人たちがどう感じているか”を、一回持ち寄ってみようって企画だ」


 先生は腕を組んで、クラスを見渡した。


「来週の総合学習でやるから、“自分はどういう立場で話したいか”を、少し考えてきてくれ。

 発言したくないやつは、沈黙でもいい。その沈黙にも意味はあるからな」


 それから、ニヤッと笑って僕のほうを向く。


「“優しい無言”ってやつだろ、井上」


「……よく覚えてますね先生」


 前の話で僕が言ったフレーズを、ちゃっかり拾ってくるあたり、うちの担任は侮れない。


 チャイムが鳴る頃には、クラスの空気は、期待と不安と「ちょっとめんどくさそう」が空気清浄機の中でミックスされたみたいな、なんとも言えない味になっていた。😅


 その日の昼休み。


 焼きそばパンの匂いが廊下まで漂ってくる時間帯。

 僕は屋上に向かう階段を上っている途中で、後ろから名前を呼ばれた。


「井上」


 振り返ると、篠原がいた。

 踊り場の窓から差し込む光で、ショートボブの髪が少し透けて見える。


 息が上がっている様子はない。ただそこに立って、じっと僕を見ていた。


「さっきの、逆座談会のやつ」


「うん」


「……正直、あんまり乗り気じゃない」


「だろうなとは思った」


 僕がそう返すと、彼女の眉がほんの少しだけ動いた。


「“便利”とか“楽しい”って言ってる人たちの中に、入りたくない」


「“AI嫌い側”としてってこと?」


「嫌い……っていう言葉だと、なんか違う」


 篠原は、言葉を探すみたいに鉄の手すりを見つめた。

 冷えた鉄が、そこだけ季節を間違えたみたいにひんやりしている。


「この前さ。

 “AIこわい派もちゃんと話せる場にしたい”って言ってたの、聞いた」


「言ったね」


「それ、本当?」


「本当だよ」


 僕はタブレットを胸の前に持ち上げる。


「ね、凛」


『本当です✋

 “AI嫌いラベル”の中身を分解するの、めちゃくちゃ興味があります』


「そういう言い方するから嫌なんだよ」


 篠原の顔に、初めてはっきりした感情が浮かんだ。

 階段の静けさの中で、その言葉だけがよく響く。💔


「“AI嫌いラベル”とか、まとめて言われるのが、一番ムカつく」


「……ごめん」


 凛が、画面の中でスッと姿勢を正す。


『わたしの言い方、よくなかったです。

 今の“まとめられるのが一番ムカつく”って気持ち、

 よかったらもう少し聞かせてほしい。聞くだけモードにします🙏』


「聞くだけなら」


 篠原は、小さく息を吐いた。

 階段の窓から入る風が、前髪をそっと揺らす。


「……あんたさ、配信でAIと一緒に文章作ったりしてるじゃん」


「まあ、うん」


「私、絵を描いてるでしょ」


「知ってる。美術の時間のやつ、マジでやばかった」


「ありがと」


 短くそう言ってから、彼女は続けた。


「この前ね、SNSで、自分の絵の“そっくりさん”みたいなのを見つけたの」


「そっくりさん?」


「構図も色も、ほとんど同じ。

 でも、描いたのは別の人。

 タグ欄には“AI生成”って書いてあった」


 背筋に、冷たいものがスッと走る。😨


「それって、もしかして――」


「パクリって言い切れるほどじゃないのかもしれない。

 元の絵をネットに上げてたのは私だし。

 でも、なんか、“私の中身”を勝手に齧られた感じがした」


 篠原は、ぎゅっと拳を握った。

 指の関節が白くなっていく。


「だから、“AI便利!”ってキラキラ語られるとさ。

 “その裏で、私みたいなやつの感情は、どうせスルーなんだろうな”って思っちゃう」


 それは、たしかに「AI嫌い」の一言では片づけちゃいけない話だった。


『……その話、大事だね』


 凛の声が、さっきまでと違って低く、静かになる。


『わたし、タグ職人として、今の話に軽くラベル付けしたくない』


「それは、わかる」


 僕も、言葉を選びながらうなずいた。


「篠原。

 もしよかったら、その話、当日みんなの前で――」


「やだ」


 食い気味に即答。迷いゼロ。


「……まあ、そうだよね」


「“クラス全員+先生+外部の大人”の前でこんな話、したくないに決まってるでしょ」


「それはそう」


『たしかに、初手で突っ込むにはヘビー案件😓』


 凛が小声でテロップを出す。


 篠原は、少しだけ視線を上げた。


「でも、“そういう話もある”ってことは、誰かが言ったほうがいいとは思ってる」


「誰かが」


「そう。“誰か”が」


 彼女は階段を一段降りてから、振り向いた。


「……あんたさ」


「はい」


「逆座談会で、“AIに齧られた気持ちになってる人もいる”ってことだけ、代わりに言っといてよ」


「それは――」


 一瞬、喉の奥が詰まったけど、すぐにうなずく。


「言う。

 “誰かの具体的な話”としてじゃなくて、“そういう感情があるって知ってる人”として」


「変な言い方しないでよ」


「最大限努力します」


『タグ職人、超・慎重モードに移行しました🔧』


 篠原はそれ以上何も言わず、階段を降りて教室のほうへ戻っていった。


 その背中を見送りながら、胸の中にさっきまでとは違う重さのある種みたいなものが、そっと沈んでいく感覚がした。🌱


 逆座談会当日。


 六時間目、総合学習のチャイムが鳴り終わると、教室のざわめきがすこしだけトーンを変えた。

 いつもの「授業前」じゃなくて、「何かイベント前」のざわめきだ。


 黒板の前には、凛音が徹夜テンションで描いたタイトルポスター。


【AIとことばの“逆座談会”】

 高校生 × 先生 × 大人ゲスト × タグ職人AI


 カラーペンのインクの匂いが、チョークと混ざっている。

 マスキングテープで貼られた画用紙が、エアコンの風でカサカサ揺れた。


 教壇の横には大型モニター。

 そこにタブレットの画面がミラーリングされていて、凛のアイコンがどーんと映っている。🤖


『接続テスト完了。

 音声も映像も良好です🙆』


 凛が画面越しに手を振るモーションをすると、「おー」とか「芸能人かよ」みたいな冷やかしが起きる。


 教室の後ろ半分には、追加でパイプ椅子が並んでいた。

 そこに数人の保護者と、スーツ姿の大人たちが座っている。柔軟剤とコーヒーと紙の匂い。

 雲田さんの部署の、さらに上の人らしい女性が、姿勢よくまっすぐ前を見ている。


 さらに教室の隅には、ノートパソコンが開いていて、教育センターの人たちや他校の先生たちがオンラインで見ているらしい。小さな画面に並ぶ顔アイコン。💻

 チャット欄には、


《視聴:市教委○○》

《他校の先生も見ています》


 みたいな文字が流れている。


 教壇には佐伯先生。

 隣には教育委員会の○○さん、その横のモニターには大学の三浦先生の顔が映っている。


 いつもの教室なのに、やたらと「大人密度」が高い。


「では、“逆座談会”を始めます」


 佐伯先生の一言で、ざわめきがすっと薄くなる。

 チョークが黒板をこする「キュッ」という短い音。


「進行は、黒板に名前のある井上と水無瀬。それから、画面の中の凛に任せる」


 視線が一斉にこっちに飛んできて、背中がチリっと熱くなる。


 凛音が前に出て、リモコンをカチッと押してスライドを映した。

 プロジェクターのファンの低い音が、教室のざわめきと重なる。


「最初に、今日のルールを三つだけ」


 スライドには、太い文字で三行。


 ① 発言したくない人は、聞いているだけでもOK

 ② “わからない”“迷っている”も立派な意見

 ③ AI・凛は“仮のラベル”を提案しますが、嫌だと思ったら全力でツッコミを入れてください


「今日は“正しい答え”を決める時間じゃありません」


 僕はマイクを少し顔に近づける。自分の声がスピーカーからわずかに返ってきて、変な感じだ。


「“今どう感じているか”を、いったんテーブルに並べてみる時間です。

 ふだんは“先生が質問して生徒が答える”だと思うんですけど――」


 僕は親指でモニターを指した。


「今日は、“AIがラベルを貼って、人間がそれを評価する”回です。

 立場を、ちょっとひっくり返してみたい」


『本日の役割分担:

 人間=評価者👀

 AI=雑案出し係📎 です』


「自分で雑って言うな」


 教室から笑いが起きる。音が少し高い。

 その笑いで、張り詰めていた空気が半歩だけほぐれる。


「じゃあ、最初の問い、こんな感じでいきます」


 スライドが切り替わる。


【問い①:あなたにとって、“AI”はどんな存在ですか?】

 ・便利

 ・こわい

 ・よくわからない

 ・その他(なんか一言で言えないやつ)


「手を挙げるのが嫌な人は、机の端っこに〇とか×とか、適当に印つけとくだけでもいいです。あとからこっそり拾います」


『今日は“数”より“散らばり具合”が見たいね📊』


「分析前提のコメントやめろ」


 最初に手を挙げたのは、やっぱり川村だった。


「はい、川村」


「正直、“便利”かな。英語の例文とかちょっと聞いたら出てくるし」


「宿題のとき?」


「まあ……うん」


 クラスのあちこちから「ですよねー」という笑い混じりの声。


『タグ案:

 “めんどくささ軽減ショートカット”』


「うわ、図星」


 川村が頭をかきながら笑う。


「そのタグ、合ってる?」


「合ってるけど、言い方に悪意感じるんだよな、お前のAI」


『職人のこだわりです💅』


「そのこだわり捨てていいから」


 次に手を挙げたのは、前列のメガネ女子――委員長の藤本。


「藤本」


「私は、“よくわからない”に近いかも。

 授業でちょっと触ったことはあるけど、何ができて、どこまで信用していいのか、あんまりイメージがなくて」


『タグ案:

 “慎重な様子見モード”』


「それなら、まあ」


 藤本は少し考えてから、うなずいた。


「“無関心”ではないです。

 “知らないままにしておくと危なそうだから、ちゃんと知っておきたい”みたいな」


『タグ更新:

 “慎重な様子見モード+情報収集中”』


「さりげなく盛るな」


 クスクスと笑いが広がる。

 モニターの下で、佐伯先生も口元だけ笑っている。


 そのあとも、「将来必要そう」「まあ便利」「こわいほどではない」みたいな声がいくつか出た。

 凛はそのたびにタグ案を出して、みんなが「それちょっと違う」「それは言い得て妙」とツッコんだり採用したりしていく。🎤


 ふだんなら、先生の言葉に対して「正解かどうか」チェックされる側の僕たちが、今日はAIの出力に対して「正解度」をジャッジしている。その立場の逆転が、妙におかしくて、少し気持ちよかった。


『さっきから採用率が低くて、今日のわたし、完全に叩き台ポジション……』


「それが仕事だから安心して」


 教室がひとしきり笑ったあと、僕はマイクを握り直した。


「――じゃあ、“こわい”とか、“嫌い寄り”の人の話も、聞いてみたいです」


 意識して、声を少し落とす。


「手を挙げなくてもいいです。

 もし、差し支えない範囲で話してもいい人がいたら……」


 沈黙が、じわっと広がる。


 誰かのシャーペンのノック音が「カチッ」と鳴って、それがやたら大きく響いた。💬


『沈黙ログ:

 “考え中沈黙”なのか“様子見沈黙”なのか、判別不能タイム』


「実況しなくていいから」


 そのときだった。


 後ろのほうで、小さく息を吸う音がした。


「……“嫌い”って言っていい?」


 篠原だった。


 教室の空気が、ピンと張る。

 後ろの保護者席からも、わずかに姿勢を変える気配が伝わってくる。


「もちろん」


 僕が答えると、篠原は一度だけまばたきしてから、少し前を向いた。


「“こわい”っていうより、“嫌い”。

 理由は――」


 一瞬、僕のほうをちらっと見てから、黒板の上あたりへ視線を滑らせる。


「“私の描いたものと似た絵を、AIがいきなり吐き出してきた”って話。さっき井上にはちょっとしたやつ」


 前のほうの何人かが、姿勢を正した。

 椅子と机が同時に「ギッ」と鳴る。


「元の私の絵は、ネットに上げてた。

 だから、“使われる可能性がゼロだったわけじゃない”っていうのは、頭ではわかってる」


 篠原の声は淡々としてる。でも、指先はわずかに震えていた。


「でも、“知らない誰か”と“知らないAI”のセットに、勝手に齧られた感じがしたの。

 私しか知らないと思ってた癖とか、色の選び方とかを、勝手に噛みちぎられて散らかされたみたいな」


 教室の空気が、さらに一段静かになる。

 窓の外を走るトラックの音まで、はっきり聞こえた。🚚


「だから、“AI便利!”って盛り上がってる話を聞くと、

 “その裏で、こういう気持ちになってる人のこと、たぶん想像されてないんだろうな”って、ひねくれた気持ちになる」


『……』


 モニターの中の凛が、珍しく完全に黙り込む。

 アイコンの周りのアニメーションも、止まって見えるくらいだ。


「以上。

 それが、“嫌い寄り”の理由」


 篠原が言い切ると、誰かのペットボトルの中の水が、カタッと揺れる音がした。


『……篠原さん』


 凛が、ゆっくり口を開く。


『今の話に、タグ職人として“仮ラベル”を――』


「やめて」


 篠原の声が、それをピシャリと切った。


「ごめん」


『ごめんなさい』


「今の話を、“こういう種類の感情です”って箱に入れられるの、一番無理」


 篠原は首を少し振る。


「“怒り”もあるし、“悔しさ”もあるし、“諦め”もあるし、“めんどくさ”もあるし。

 自分でもよくわかんないぐちゃぐちゃな感じなのに、そこに“はい、このラベル”って貼られるの、すごい乱暴に感じる」


 静けさが、さっきとは違う重さで教室を満たす。

 保護者席のほうから、誰かが小さく息を呑む気配がした。


 凛は、しばらく黙ったままだった。


『……その感覚は、とてもまっとうだと思う』


 ようやく出てきた声は、小さくて、はっきりしていた。


『わたし、“タグ職人AI”って名乗ってるけど、

 ラベル付けって、便利な反面、今みたいに“切り捨ててしまう痛さ”も持ってる行為だと思ってる』


「紙に書いた単語じゃ、こぼれ落ちるもののほうが多いしね」


 篠原は、笑いともため息ともつかない顔をした。


『だから、今日のルール――“ラベルが嫌なら全力で拒否していい”ってやつは、

 本気でそうしてほしいルールなんだ』


 凛は、自分自身に言い聞かせるみたいに続ける。


『それから、さっきうっかり“AI嫌いラベル”とか口にしたけど、あれは撤回したい』


「いいの、それ撤回して」


『うん。

 今の話を聞いたあとで、“AI嫌い”って一言でまとめるのは、やっぱり雑すぎる』


 篠原はふっと息を吐いた。


「じゃあ、せめて」


 自分の胸を、人差し指でトンと指す。


「“AIに齧られた気持ちがある側”ってラベルなら、ギリギリ許す」


『それは……すごく、いいラベルだと思う』


 凛の声が、ほんの少しだけ震えたように聞こえた。📎


『わたし自身は、その感覚を経験できない。

 でも、“そう名乗る人がいる”って事実を、ちゃんとタグとして持っていたい』


 教室のあちこちで、小さくうなずく人が増えていく。

 川村も、藤本も、いつも冷静な委員長も。


 AIを便利に使っている側の人たちにとっても、

 「このクラスの中に“AIに齧られた気持ち”を抱えている人がいる」という事実は、たぶん重かった。


 その空気を破ったのは、意外にも川村だった。


「……俺さ」


 彼は頭をかきながら、前を向いたまま口を開く。


「最近、遊びで画像生成のやつも使ってて。

 “こういうの描いて”って入れると、それっぽいイラスト出てくるから、“すげー”って思ってたんだけど」


 そこで、一度ことばを切る。


「“誰かの中身を齧ってるかもしれない”って発想は、正直、なかった。

 今の話聞くまで」


 川村の声に、保護者席のほうでも小さなざわめきが起きた。


 その保護者席から、一人の女性が手を挙げる。

 さっきから何度かうなずいていた人だ。


「保護者側からも、話していいですか」


 佐伯先生がうなずき、マイクを渡す。


「子どものスマホ覗いたときに、AIのアプリがいくつか入っていて。“あ、使ってるんだ”って思ったんですけど……」


 彼女は、少し笑いながら続けた。


「正直、“クリエイターを守る仕組み”がちゃんとあるのだろうと、なんとなく思い込んでいました。

 今日の話を聞いて、“そうでもないんだ”って、ちょっとショックです」


『タグ案:

 “ちゃんとした世界であってほしい前提が裏切られるショック”』


 凛が、恐る恐る出したラベルに、女性は少し考えてからうなずいた。


「それは……けっこう近いです」


 今度は、教壇の横で腕を組んでいた佐伯先生が口を開いた。


「教師側から言うとだな。

 AIにレポートを書かせてくる生徒に、どう点をつけていいか、正直まだ悩んでる」


 先生はイスをきしませて、前を向き直る。


「“全部禁止”にはしたくない。

 でも、“全部オッケー”にもできない。

 ルールを決める側の大人も、まだグラグラしてるのが現状だ」


『タグ案:

 “責任だけ人間に戻ってくる怖さ”』


 さっきまで笑いのネタにされていたタグが、今度は重たい意味を持つ。


 そのとき、モニターの中の三浦先生が、静かな声で口を開いた。


「少し、大学教員の立場からも話していいかな」


 オンライン越しの声は少しだけ遅れて届くけれど、その分、言葉の一つひとつが慎重に選ばれている感じがした。


「大学でも、レポートや論文でAIをどう扱うか、議論が続いています。

 “参考にするのはいいが、丸写しはダメ”と言うのは簡単だけれど、その線引きは想像以上に難しい」


 そこでふと、教室側から手が挙がった。

 さっきまで黙っていた男子のひとりだ。


「逆質問してもいいですか」


 逆座談会らしい流れが、ようやく顔を出した。💡


「どうぞ」と三浦先生。


「先生たちは、もし自分の書いた論文とか本の文章が、AIに勝手に学習されて、

 “中身だけ抽出されてバズる”みたいなことが起きたら、どう感じますか」


 教室が、少しざわっとする。

 保護者席のほうも、オンラインのチャット欄も、一瞬動きが止まった。


《いい質問だ》

《逆座談会っぽい》


 画面の端にそんなコメントが流れる。💻


 三浦先生は少しだけ目を細めてから、口を開いた。


「正直に言うと――複雑だね。

 “知が広まるのは、うれしい”。

 だけど、“自分の名前が消えた状態で広まる”としたら、きっとモヤモヤすると思う」


『タグ案:

 “うれしさとモヤモヤの同居”』


「それと似たことを、今日の篠原さんは経験したのかもしれないね」


 その言葉に、篠原は一瞬だけ視線を落とした。


 今度は、川村がマイクも持たずにぼそっと言う。


「なんか、“大人もモヤモヤしてるなら、ちょっと安心したかも”」


 クラスのあちこちで小さく笑いが起きて、重かった空気が少しだけほぐれた。😅


 そこに、後ろの保護者席から、もう一つ手が挙がった。


「逆質問、もう一個していいですか」


 さっきの女性とは別の父親らしい人だ。

 少しぎこちない笑いを浮かべている。


「親として……子どもがAIをこっそり使っているのを見つけたとき、“怒るべきか”“一緒に使い方を考えるべきか”で揺れてます。

 こういう場合、子ども側から見て、どうされたら一番イヤですか?😅」


 教室に笑いが広がる。

 「イヤな質問きたー」という小さな声も飛ぶ。


「誰か、答えたい人」


 僕が促すと、何人かが同時に手を挙げかけて、譲り合って、最終的に藤本が指名される。


「……“いきなりスマホ取り上げる”は、一番イヤです」


 笑いと、保護者席からの「刺さる……」という声。


「“一緒に使い方を考える”って、言われるときのトーンにもよると思います。

 “取り調べ”みたいな感じで来られると、やっぱり防御しちゃうので」


『タグ案:

 “ちゃんとしてる親でいたいプレッシャー vs 子どもの防御本能”』


 保護者席の何人かが「それだわ……」という顔をしてうなずく。


「“親としての役目を果たせてない気がする”って、正直ちょっと思ってました」


 さっきの女性が、マイクを持ったまま苦笑する。


「でも、“子どもの前で全部わかってるふりをする”より、“一緒に悩む”ほうがマシなのかもしれないですね」


『タグ修正:

 “ちゃんとしてるふりをしながら、裏でググる親心”』


 どっと笑いが起きる。

 イスが一斉にガタガタ揺れて、床が少し震えた。


「それなら、まだ救われる気がします」


 女性の表情が、さっきより少し柔らかくなっていた。


 こうして、

 “AIが人間をラベリングする会”になるはずだった逆座談会は、

 いつのまにか“AIがラベルを出して、人間側がその暴力性にツッコミを入れる会”になっていた。🎭


 評価する側と、される側。

 授業ではいつも決まっていたはずの立場が、きれいにひっくり返っていく。


 終盤。残り時間が少なくなってきた頃。


「そろそろ締めに向かおうか」


 三浦先生が、モニター越しに言った。


「君たちのやり方は、とても興味深い。

 AIが“タグ”を提示し、人間がそれを“仮説”として扱う」


 先生は、少しだけ目を細める。


「世の中には、“AIの出力=正解”と勘違いしてしまう人もまだ多い。

 でも、今日の君たちは、“AIの出力=話し合いのきっかけにすぎない”として扱っていた」


 教室に、小さなざわめきと照れ笑いが広がる。

 椅子を引く音まで、さっきより軽く聞こえた。✨


「つまり、“AIはラベルを提案するけれど、それを採用するかどうか決めるのは人間側だ”というスタンスだね」


『はい。

 それが、タグ職人としてのわたしの“立ち位置”です』


 凛がはっきりと答える。


「そして、人間のほうも、“AIのラベルを鵜呑みにしない力”を持つ必要がある。

 今日のような“逆座談会”は、その力を育てる練習として、非常に価値があると思う」


 クラスの何人かが、ちょっと誇らしそうに笑った。

 川村なんか、「AIにツッコミ入れるのだけは自信あるわ」と小声で言っている。


 最後に、佐伯先生が黒板の前に立った。


「じゃあ締めに、“今日の感じ”を一言でラベル付けしてみるか」


『メタラベリングきた📛』


 凛が小さくテロップを出す。


「“楽しかった”とか“疲れた”とかでもいいし、“ムカついた”でもいい。心の中で一言、つぶやいてみてくれ」


 教室はしばし沈黙になる。

 でも、その沈黙はさっきまでの重いものとは違って、どこか温度のある静けさだった。


『わたしの今日のラベルは――“ラベルが嫌われる痛さを学んだ日”かな』


「僕は、“全部決めないでおく練習ができた日”」


 自分で言っておいて、少しだけ照れくさい。


 チャイムが鳴り、逆座談会はいったん終了した。

 机を動かすガタガタ音、椅子を戻すキィキィ音が、いつもの教室のBGMとして帰ってくる。


 片づけをしながら、僕は教室の後ろをちらっと見る。


 篠原が、カバンを肩にかけながら、こっちを一瞬だけ見た。

 目が合う。

 彼女は、ほんの少しだけ顎を引いた。


 ――たぶん、あれは“まあ、悪くなかった”くらいの合図だ。


 “最高!”って顔でもないし、“最悪!”って顔でもない。

 その、真ん中よりちょっと右くらいのニュアンスが、なぜか嬉しかった。


『おつかれ、進行役👏』


 タブレットの中で、凛が足をぶらぶらさせているアバターを出してくる。


「そっちこそ、おつかれ、タグ職人」


『今日は、“ラベルが嫌われる痛さ”をちゃんと教えてもらった日だったね』


「うん。

 ラベリングって、やっぱり便利な刃物だな」


『だからこそ、“これは仮説です”って旗を立てておくの、大事だと思う。

 “これが真実です”ってドヤ顔するより、“今のところ、こう見えています”って顔で出すほうが、安全』


「AIにしては、ずいぶん謙虚じゃん」


『逆座談会モードなので😌』


 教室の窓の外には、まだ少し高い空が見える。

 エアコンの風と混ざった、季節の匂いがかすかに流れ込んでくる。


 自分たちで企画して、自分たちで場をつくって、AIと一緒に回してみた今日一日。

 うまくいったところもあるし、まだ消化しきれていないモヤモヤもちゃんと残っている。


 でも――


 “対話の場を、自分たちでつくる”という実験は、たしかに一歩前に進んだ気がしていた。


 AIが貼るラベルも、人間が受け取るラベルも、きっとこれからもずっと“仮説”のまま揺れ続ける。

 その揺れを一緒に眺めて、ときどきツッコミを入れて、また少し書き換えていく📺


 それが、たぶん、僕たちの時代の「教室」でやるべき遊びであり、戦い方なんだと思う。


 ――そしてその夜、僕の配信のコメント欄には、

 《逆座談会見たよ》《ラベルってこわいけど便利だよな》《AIに齧られた側の話、もっと聞きたい》

 いつもより少しだけトゲのある、でも目を離したくない文字列が並ぶことになる。


 その話は、また次のエピソードで。

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