灰が満ちる世界で、静かな絶望が歩き出す。
- ★★★ Excellent!!!
世界の絶望感を声高に語らず、淡々とした筆致で積み重ねていく描写が圧巻でした。
子どもたちの小さな息遣いと、前衛のRFが起動していく無機質な手続きが対照的で、
読むほどに灰色の重さが喉に溜まっていくような感覚になります。
「助けたい者」と「守るために外へ出る者」が同じ世界線で動き出す静かな緊張——
その空気が非常に心地よく重い。
序章としての引きも強く、続きが自然と読みたくなる構成でした。