いず

.




川の黒い水面を緩やかな風が撫で

月明かりでできた白い鱗が靡いている





黒、黒、黒


光というものが存在しなければ

本来この世界の全ての姿であったであろう色


光さえなければ、存在し得る全てを飲み込んでしまう色


黒、黒、黒


真実なのか、偽りなのか、全てなのか、

何でも無いのか


全てを教えてくれるのか

全てを覆い隠してしまうのか


全であり、有であり、無であるのか

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いず @spr_izu_5

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ