The First/デスゲーム 第2話

 『デスゲーム』


 屈強な体型のナイト。

 背面にマウントされた棒を手に取る。1メートル以上の長さの艶消しの黒い金属製の棒。起動する。棒の先端、緑の光が立体を作り出す。棒は、緑色の光の塊、金槌ならぬ、光槌を持った大型ハンマーになった。

 ナイトと呼ばれる怪人。それぞれ、1人1人が異なる武器を持つ。そして、その武器はそのまま、そのナイトの名前となる。

 ナイト·ハンマー。

 英語では、大型ハンマーのことを、スレッジハンマーと言う。

 アングロサクソンの言葉の『Slaegan』に由来する。この『Slaegan』は『激しく攻撃をすること』を意味していた。

「ゲームを始めようぜ」

 ナイト·ハンマーがそう言って、軽く野球のバットを振るように、フルスイングで大型ハンマーを振った。光の大型ハンマーは、鈍い唸りを上げた。

 対するもう1人のナイト。

 首を傾げた。

「何だ、きみ、

ナイト·ブルーセーバーじゃないのか。

ガッカリだ」

 もう1人のナイトは不満気に言った。

「ブルーセーバー?

そんなやつ、見たことないぜ」

 ホワイ? 

 ナイト·ハンマーの発言に、もう1人のナイトは両手を広げ、そんな仕草をした。

「さっき言ったよね、

ぼくは、きみで11 人目だと。

10人のナイトを倒したら、

最強のナイト、ブルーセーバーに挑戦できるんじゃないの?」

「ブルーセーバーは、

ナイトの特異点だ。

いつもいるわけじゃない。

不在なんだろ、今は。

それに、そんなバケモノを相手にするより、100人のナイトを倒す方が簡単だろ」

 ホワイ?

 もう1人のナイト。さっきよりも大きな仕草。

「何それ?

タイパ悪過ぎ。

···ちなみに、

今まで会った相手、全員に聞いてるんだけど、ナイトを100人倒したら、

きみは、どんな願いをかなえてもらおうと思ってるの?」

「永遠にナイトのデスゲームを続ける···

この最高のゲームをずっと、やり続けたいんだ」

 もう1人のナイト。ナイト·ハンマーの答えに対して、さらにオーバーリアクション。天を仰ぐ。

「ヘンタイなの?

さっき、チンチン勃ててたし、

もしかして、ぼくを倒した後、

屍姦しようとしてる?」

「しね〜よ!

大体、倒したら、燃え尽きて、無くなるだろ、何もかも」

「ま、そっか」

 いい加減、おしゃべりにダレてきたナイト·ハンマー。ウォーミングアップでもするように、大型ハンマーを片手で振り回す。片手で軽々とヌンチャクでも扱うように素早い動き。事のついで。そんな雰囲気で、ナイト·ハンマーはもう1人のナイトへ質問した。

「そういう、おまえの願いは何だ?

大金持ち?

それとも、世界征服か?」

 もう1人のナイト。彼のビキニパンツの左右には、刃の無い大型ナイフの柄のようなものが、マウントされていた。

 刃先の部分は前方に向かって、斜め前になっていた。

 ナイフの柄が抜きやすいように回転し、もう1人のナイトは二本のナイフの柄を抜いた。

 艶の無い黒色の金属製。

 柄から緑色の光の刃が現れた。

 鈍い唸りを上げている。

 まるで、スターウォーズのライトセーバーだ。

 2本の大型ナイフを持つナイト。

 ナイト·ナイフ。

 ナイト·ナイフは、刃渡り40センチくらいの2本の大型ナイフを順手で持ち、構えた。

「ぼくの願い。

それは、最強のナイト、

ブルーセーバーになること」

 ナイト·ナイフの発言を聞き、一瞬の間を開け、ナイト·ハンマーは吐き捨てるように言った。

「おまえもヘンタイだな」

 2人のナイトによる

 デスゲームが始まる。


 第3話へ続く

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