学問転生 ~chemistry~

ねこねこ

第1話 転生

僕は高校一年生の華岳毛美香流(かがくけみかる)。絶賛青春謳歌中だ。

しかし僕は今大きな悩みを抱えている。そう、勉強だ。

11月にもなると数Ⅰが終わり、数Ⅱに突入し始めて間に合わない。

一番問題なのは化学だ。何も頭に入って来やしない。

元素?化合物?mol?なにもわからない。

僕は脳内でよくおしゃべりである。現に今も登校中だが全く別のことを考えている。

あぁ、期末テスト憂鬱だなぁ。露と答えて消えなましものをーー。なんて、、

あれはかわいいかわいい黒猫ちゃん!?

まずい、あのままじゃトラックに轢かれてしまう!! 

そう思った僕は思わず飛び出した。

「あなや!」 

あぁ、これが僕の遺言か。僕理系選択なのに、、


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――


「ハッ!?」

どこだここは。俗にいう黄泉の国というものか?

というか寒いな。夜じゃないか。暗いし。なんか明かりとか無いかなー

!?!?!?

「火? 手から火が出るぞ!?」

おー。しかも頭の中で考えた強さとか範囲にできるぞ。

なんか技名つけよう。よし。【フロギストン】でいこう。

近くに木の枝がたくさん落ちてるし、ここでキャンプファイヤーをして朝になったら探検しよう。

そういえばもともと持ってたリュックも一緒にあるな。お弁当あるかな。

「あった」

おいしい。やはりお母さんの作った弁当はおいしい。あー、帰りたくなってきた。

MOTHER2じゃあるまいし、7/8を引いてもう少し頑張るとするか。


〈翌朝〉

『・・・・・・?』

何か聞こえるな。誰だわらわの眠りを妨げるものは、、って

「だ、誰?」

『私はゲオルク・エルンスト・シュタールだ。』

「僕は華岳毛美香流。」

『なんせ見知らぬ者が倒れていたのでな、医者として助けようとしたわけだ。』

「な、なるほど。ちなみにここってどこですか?」

『ここは神聖ローマ帝国だ。』

「てことは、16世紀!?!?」

どうやら私は黄泉の国ではなく16世紀のヨーロッパに飛ばされたようだ。

しかも神聖でなく、ローマでなく、帝国でないと言われたあの神聖ローマ帝国に!

あ、一応世界史好きです。


それはさておき、これが僕とシュタールの初めての出会いであった。

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