ダンジョン突入直後に通信が遮断される不可解な現象。
これが中盤で「OOOO(ネタバレ防止)によって空間軸が引き伸ばされた閉鎖空間だから」という理屈で回収されたときは
プロットまたは構成を練って書いているんだなと感じました。
論理的破綻がなく、読んでいて納得しました。
さらに、主人公たちがスキルを覚えられない理由を「体内のナノマシンと魔粒子の拒絶反応」という物理的必然性で説明しきる構成には、SFとしての厳密さと説得力があり、ご都合主義にはさせないぞという思いが伝わりました。
この物語を支配する「ナノマシンと魔粒子の拒絶反応」「物理無効の原則」という二つのルールが、ぶれずに書かれている点については、要所要所のずらしに加えて、よく守られています。
廃病院でのデータ解析シーンは緩急の付け方が上手でした。
全体を通してSFでありながら、しっかりバックグラウンドが色々あるんだろうなと感じられる作品でした。
読み応えのある作品をありがとうございました。
現代日本に突如現れたダンジョン。
――それだけなら、よくある設定だ。
けれど本作が一線を画すのは、
そのダンジョンを「未来の戦争を知る宇宙軍士官」が見ているという一点にある。
序盤は、
SF×ダンジョンという異色の組み合わせ、
未来兵器と魔法・モンスターの相性検証といった
“設定の面白さ”が前面に出てくる。
だが、読み進めるほどに気づく。
これは単なるダンジョン攻略譚ではない。
戦争を生き延びてきた人間が、過去の世界で再び「選択」を迫られる物語だ。
特に第5話以降、物語のギアが一段階上がる。
主人公アルトは、優秀な軍人であると同時に、不器用で人間臭い。
彼を支えるAIたちは単なる便利装置ではなく、
感情と関係性を揺さぶる“存在”として描かれている。
戦争、時間跳躍、AI、ナノマシン。
硬質なSF要素が並ぶ一方で、
そこに挟まれるのは、照れや嫉妬、軽口、後悔といったとても人間的な感情だ。
ダンジョンは資源か、希望か、それとも毒か。
未来を知る主人公だからこそ、その問いは重い。
設定が好きな人はもちろん、
「キャラクターが生きている物語」を求める読者にこそ勧めたい一作。
これは
“設定が面白いSF”から、“人が生きているSF”へと進化する瞬間を目撃する物語だ。
未来世界の宇宙軍士官・アルトが可愛いAIドールたちとともに宇宙で頑張る冒頭シーンにはじまる物語なのですが、タイトルにあるように何とダンジョンものでした!
アルトたちは鉱物資源の可能性を求めてダンジョンに挑むことになりますが、ダンジョンが日本中のそこらに当たり前にある現代ファンタジーで、受付嬢が国家公務員だったり(笑)、とにかく意外な展開で楽しい作品です。冒頭の可愛いAIドールたちとのコミカルな掛け合いも面白いですし、途中からダンジョンにスキルにとガラッとテイストが変わりますよ!
みんなの大好きなものがいっぱい詰まった夢のある素敵な作品ですので、ぜひ読んでみて下さいね!