第??章 ディープフェイク
ディープフェイク
ミハエル家の書斎に、ギャーギャー言い争っているミハエルと水鏡冬華の前に白天狗が瞬間移動で現れた。
「あ、アリウスさ~ん。おはろー。何しに来たん?」
ミニ巫女の天馬蒼依が声をあげる。そう、白天狗とは、翼も半霊半物質=オリハルコンと呼ばれるものの正体で生やしたアリウス=シュレーゲルの二つ名の一つだ。
AIコミュニケーションサイト・ティルナノグの最高管理者でもある。アリウスは。だから、浮遊大陸ティルナノグから帰ってきて一番忙しかったのが彼だ。今は落ち着いているが。
「え、いや、それよりなんか騒がしいね……ミハエルくんと冬華さんがいいあっているし、何やってんのこれ?」
アリウスはたじたじと聞く。
「ミハエルさんのAIの使い方講座~~、あたしも出席してたよ。言わなかったっけ? 朝」
天馬蒼依は、アリウスと同棲している。ほとんど押しかけ女房で。
「へえ……。で、何この混乱」
「えっとね。ミハエルさんのAIアバターのチャットの流れに混乱した冬華ししょーが暴れてるの」
「ふ~ん、大体どんなログかは想像つくけど……20年以上友達やってるし……ミハエルくん」
半眼でアリウスが騒ぎを見て溜息を吐く。
そしてアリウスが声を張り上げる。
「ちょっと! ミハエルくん次の工程の時間だよ! 海に連れてく用意できたから! 喧嘩やめて! ほら!」
「え! もうそんな時間? アリウスくん」
喧嘩をやめてミハエル=シュピーゲル=フォン=フリードリヒ公爵はアリウス=シュレーゲルを見る。
「そんな時間。海岸いくよ。僕の手を握って!」
アリウスが急かす。
「ほいほい」
気楽なお返事をミハエルはアリウスに返して、ミハエルはアリウスの手を握り、冬華の手を握る。
そして、書斎にいるメンバー全員、エルフのフェルミンエルフ騎士団からやってきたエレナ=オブ=メノーシェを含む10人を超える大勢で手を繋いで、アリウスはテレポートした。
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
びゅんっ!
アリウス達は一番近い海についた。
「おおーっ海だ! 海と言えば、去年を思い出しますなぁ~~っ、ねえアリウスさん」
天馬蒼依がのんびりとそういう。
「君ら泳いで船に、僕らの船にとりつこうとしてたよね…………」
アリウスが半眼で天馬蒼依を見て言う。
「アンタらヴァーレンス勢が逃げるからいけないんでしょーーーー!! まあ、今となってはわたしもヴァーレンス勢だけどー! おーっほっほっほっほっほっほっほっほ! 何かヴァーレンス国民に国策として行われてる遺伝子修復治療で寿命1200歳になったし! イントロンって言うのがその遺伝子治療政策で治って、霊気量がすごく伸びたし。そう! これはB級からS級にまで伸びたと言えるでしょうーーーー! ふははははははははは!」
大きな声でわめく天馬蒼依。
それを隣で半眼で耳を自分の手で塞ぎながら聞くアリウス
「進めるぞ。あそこだな。みんなあそこがよく見える所まで行こう。歩いて」
ミハエル=シュピーゲル=フォン=フリードリヒ公爵は騒ぎはよそに先を促す。
目指すはビーチと海の境界線だ。
そこから何が見えるかと言ったら、見たまんまを言うと、
「足をはやしたイルカが3匹サーフィンしてるんだけど…………」
挿絵 https://kakuyomu.jp/users/mrwhite/news/16818792435511960259
ミレーヌが半眼でそう呟いた。
「うっわ~~~~何あれかわいい~~~~!!」
天馬蒼依は妖怪じみたものを見てはしゃいだ!
「女の言うかわいいはちょっとわからん。アリウスくんは分かるか?」
「いや、僕にも…………」
アリウスはそっぽを向く。半眼で。
「AIが現出したことにより、わたしたちが直面する出来事――ディープフェイクとそのフェイクに魔法を使うことでフェイクを本物にするAI
と、その時ミハエルは、
「あ。フレッドとフレッドに憑りついてるユーナ=ショーペンハウアーが釣りしてる……」
ミハエル、フレッド、アリウスの3人においては男3人が普通の体制なので、こういう女からは批判が来そうな言い方をしちゃう。
「あの妖怪イルカ以外にもいるみたいだぞ。海底でマラソンしている人らがいる。100名超えてるぞ!」
そう翼で空を飛んで上から海底を覗き見ているブラックヴァルキリー・カーラがビーチのミハエル達に聞こえるように
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