ハッピーエンド
@kohina12
ハッピーエンド!
「こんなつもりじゃ、」
思わず言葉を零し顔を響める。
最後の、ああラスボスという役割らしい私はまさかの大逆転により勇者一行に負けたのだ。
だからといって負けたからのこの台詞ではない。
簡単に負けるてやるつもりも無かった。
だが、負けたからにはさっさと殺してもらおう、でもせめて巻き込んで死んでやると。そしてやっと開放されると内心喜んでいたのに勇者を名乗った女は、私を打ち倒し恍惚といった表情を浮かべた後手を取ってキスをする。
「ね、私のお嫁になって欲しい」
「何を、馬鹿な事を」
本当に何を考えているのだ、こいつ。
さつきまで殺しあった仲だというのに、想いを告げてくるやつがあるかと困惑していた。
「あの日君を見た日から、君の隣に立ちたかった。だけど私には勇者って役割がある。だから魔王という役割の君を打ち倒した後、君自身の手を取りに来たの」
不覚にもこの女に胸がときめいてしまった、役割が無くなった私自身が欲しいのだと言われて。
そういうと彼女は私の手を引き立たせた後、私の目を見て笑顔でこう言ってのけた。
「ふふ、これが大逆転ハッピーエンドだ」
ハッピーエンド @kohina12
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