第48話 Waga point of view
試合後 ——
試合には負けた。
スコアは **0-1**。
でも胸の奥は、不思議と軽かった。
(リベンジ……できた。ちゃんと俺は届いたんだ)
ベンチを出たところで、
川越、本田、黒木が寄ってきた。
「お前マジでやったなあれ!」
「ダイビングからのスローは普通出ねぇって」
「センターのやつ固まってたぞ」
わちゃわちゃ言われてると——
「斎木くん!!あ、いた!」
振り向くと、
ほのかと友達が走ってきた。
「すごかったね!あの守備……!!」
急に真正面から言われて、
顔が熱くなるのがわかった。
「べ、別に……普通……いや普通じゃないけど……!」
後ろで黒木がニヤニヤして肘で小突いてくる。
「お?お?おぉ〜〜〜?」
「黙れ黒木!!」
でも、そのやり取りが妙に楽しくて、
笑いが止まらなかった。
家に帰ると、
母さんに今日の守備を何度も自慢した。
あの日、あの守備ができるなんて思ってなかった。
**“試合で活躍”ってこんなにも嬉しいんだな。**
日曜日は休み。
全身筋肉痛でほぼベッドから動けなかった。
(ステータス上げた分って、体にちゃんと負担くるんだ……
ゲームみたいにはいかねぇのな)
それでも、心はずっと爽快だった。
——そして視点は、別の場所へ切り替わる。
視点:和賀 我久(わが がく)
俺は和賀 我久。
夏休み前のある日、
駅のホームで見かけた。
他チームのユニフォームを着た、
どこか明るい雰囲気のやつ。
(……誰だあいつ)
なんとなく気になって、
近くまで歩こうとした瞬間——
ガタンッ!
足が絡んで、そいつのことを押して、
××××××××。
電車が通り、周りが騒ぎ始めた
しかもそれが、ぐぢゃ、
×××××
俺の顔には赤い液体が跳ねたようについた。
息が荒いのがわかる。
俺は近くの川に飛び込んだ。
とにかく胸が苦しかった、償いたい。
わかってても、
これでいい。
息が止まった。
その瞬間だった。
目の前に、
青白いウィンドウが浮かび上がった。
> **PLAYER — WAGA GAKU**
> ステータス生成中…
「えっ……?」
次の瞬間、数字が並ぶ。
> **ミート:76**
「……は!? 高すぎだろ!?」
驚いて目が覚めたら
ウィンドウはふわりと消えた。
(なんだよこれ……俺、どうなってんだ?)
時計を見たところ5時だった。
俺はその日の出来事で、学校に行けなかった
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