インナーを買おうとして
金子よしふみ
第1話
ショッピングセンターを訪れていた。新しい服でも買おうかとテナントに入った。
なぜか柄物ばかりが陳列されており、ウィンドウショッピング状態で店内を歩いた。
すると天井辺りまで宙づりされたインナーが並んでいた。それもまた柄物が多く、シックなものやシンプルなものは数えるしかない。辺りを見渡すと踏み台があったので、それを頼りにつま先立ちになって見ると、2Lとか3LとかSばかりで望みのサイズがなかった。漁っていると、ようやくサイズを見つけたのだが、色合いがちょっとインナーにしては不似合いな気がした。ちなみにと、タグを見るとブランド品のような値段があった。あきらめて踏み台から降りて、元に戻した。
もう出ようとかとすると、棚に手帳がいくつかあった。年末だ。新たな年に向けて新しいものを買うのもいいだろうと思ってみると、やはり額が高かった。ただ一万七千円のシステム手帳に興味がわいて、手に取って開いてみた。が、使い勝手が自分に合っていなかった。棚に戻してすごすごと店を出ると、もう夜になっていた。
今度はもっと手ごろな夢が見てみたいものだ。
インナーを買おうとして 金子よしふみ @fmy-knk_03_21
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