第4話 噂
「エモが行方不明になったらしい。ワタシの所にも来てたがお前の所のギルドにも顔出してたろ?」
「そうか…心配だな…」
「たまに魔物が近くに迷い込む事があるからお前も十分気をつけろよ」
「分かった…有難う。お前もな」
「まあうちは警備ロボット増やすつもりだ。」
知り合いのギルドマスターから連絡が来た。
街に住んでいるからと言ってもたまにこう言う危ない事もある。
前には子供が食いちぎられて腑が出ている死体も見つかった事があった。
うちのギルドは警備ロボットなんて置く余裕は無いが…
「雇われハンターのタマクは独立してギルド立ち上げるらしいぞ」
「へー!腕は良かったから現場離れるのは勿体無い気もするけど…」
「まあ、アイツはソライシ集めより、宇宙船が欲しいみたいだな。そのためにチマチマ自力でよりも効率良く集める方に方向転換するみたいだな。まあ、これからは取り引き相手でなくオレたちのライバルになるのか」
「馬鹿言え、俺はそんな規模のソライシ集めは無理だ。ライバルなんて思われないさ」
別のギルドマスターから噂話を聞いていた。
まあ、同業者で色々情報交換はし合う。
俺の目的が塔に入る事なのは大体皆知ってるので、大してライバル視もされず、色々情報をくれるギルドマスターが多い。
「塔に入れたらどんなだったか教えろよ!」
なんて事もよく言われる。
中に入ったら多分話す機会も無いんだろうが…
そんな風に過ごしていたある日、悪友ナミが冒険中に負傷した噂を聞いた。結構重症みたいだ。
気に入ってた奴なんで心配していた。
魔物がたまに街の近くに来る噂も聞いていたから俺なんかが襲われたら重症どころか一溜りもないなって怯えていた。
暫くしてナミがふらっとギルドに現れた。
「大丈夫だったのか?心配していたぞ!」
「まあ命はギリギリ助かった。しかし今はこのザマだ。」
見たら片腕が無い。
「まあ、その内義手ロボットは取り付けるが…ハンター職は出来ないだろうな」
「そうか…生活はどうするんだ?その腕じゃ普通に過ごすのも中々難しいだろう?」
「まあ、その辺は。療養中に世話してくれた奴がいて今はソイツと暮らしてる。」
「そうか。」
「ソイツも元ハンターでな、同じ様に怪我でハンター職を廃業になったんだが、オレみたいな負傷したハンターを看護する職に転職しててな、そこで知り合って結局今は一緒に住んでる」
「へー!人の縁も不思議な物だな。」
「お前はそう言う相手は作らないのか?」
「まあ俺は塔に入る夢があるからな」
「成る程な」
こう言った様に気の合った同士で生活して行くパターンもある。
好きとかそう言う感情も皆それぞれある。
やはり1人で一生生きていくのは皆寂しんだろう。
心が欠けている俺にはイマイチピンと来ないが。
生殖機能は無いが、生殖器は其々みんな有る。
それで大体オスかメスかを判断する。
交尾をすればそれなりに快感などもある。
ただ、その行為で子孫を増やす事は出来ない。
ただの愛情表現に使うだけだ。
それなのに、寿命が短いのに一定数の人が常に居る。
やはりこの星は謎に満ちている。
塔に入れば分かるのだろうか?
俺は恐怖心よりも好奇心が優っている。
色々な謎を知りたい欲求が心が欠けている分人より強いんだろう。
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