第8話アルヒミストカと十五年式拳銃

-------ドン!ドン!ドン!-------


ドアが叩かれクルースは目を覚ます。


「ん〜ふぁ?」


窓からは太陽の光が差し込み、沢山の木箱が置かれた六畳ほどの部屋を照らす。

壁には軍刀と旭日旗が掲げられている…


「クルース!今日は銃を使わせてくれる約の日ですよ!!」


(確かに…そうでしたね。)


-------ドン!ドン!ドン!-------


「はよ出てこい!起きろ!」


アルヒミストカのお嬢さま口調は何処かへいき普通に暴言へと変わる。


「待って!アル!分かったから今行く!」


-------ガチャ!-------


クルースはドアを開けアルヒミストカを招き入れる。


「着替えてからでいいですか?」


「えぇ!勿論!」


アルヒミストカは木箱と毛布を使い即席で作られたベットに腰をかける。


「にして…この木箱の中は全て銃なの?」


「いえ…7割は設計図と弾薬ですね。」


「へ〜なるほど…?」


「よし!いけますよ!この取り敢えず、木箱を持ってってくれませんか?」


「はいはい…」


アルヒミストカはクルースから渡された木箱を収納し、外に持っていく。


数分後…

アルヒミストカとクルースは外に移動する。


「どの銃がいいですか?」


クルースは木箱を開き、アルヒミストカに銃を選ばせる。

左から、ルガーP08、ワルサーP38、トカレフ、モーゼルC96、ブローニングハイパワー、十四年式拳銃、十五年式拳銃、浜田式拳銃などが並んでいる。


「ん〜コレにするわ。」


アルヒミストカは右から2番目の銃を取る。


「十五年式拳銃ですね。装弾数12+1、口径7.62mmの拳銃です。」

※十五年式拳銃とは第三帝国やソ連と拳銃弾の共有化が出来る様に作られた拳銃。


「ん?まぁ…よく分からないけど、よく分かったわ。」


アルヒミストカは適当に変人を返す。

クルースは7.63mmマウザー弾を一発マガジンに装填し、コッキングピースを勢いよく引っ張る。


-------ガシャン!ジャッ!-------


「あの、的に向けて撃ってくださいね。」


クルースはそう言って十五年式拳銃をアルヒミストカへ渡す。


「分かった…」


「銃はこう構えるんですよ!」


アルヒミストカはクルースのポーズを、真似し10m先の的に標準を合わせる。


-------バァァァン!-------


的は木片をばら撒き、地面に倒れる。


「お見事!真ん中ではありませんでしたが的には当たりましたね!」


「やった!」


-------ギュッ!-------


アルヒミストカはあまりの嬉しさに十五年式拳銃を片手にクルースへ抱きつく。


「あッ!熱!銃口当たってます!」


「あ…ごめん…」


「次からは、何処かに銃を置いてから抱きついてくださいね。」


「はい…」


アルヒミストカはそう、申し訳なさそうにクルースへ変人を返すのだった…

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