第6話軍神と引きこもり

「あぁ…どうして…」


アルヒミストカ(引きこもり)は壊された部屋のドアを前に膝から崩れ落ちる。


「すまい娘よ…全てお前のためなんだ。」


とミネロー公爵がアルヒミストカに言う


「だからってドア壊す?」


涙めで、突っ込む。


「うわ〜お姉ちゃん泣いてる〜!」


とカルピスが…


「な…泣いてなんか…」


と無きながらアルヒミストカが…


「どうです?外の空気は」


クルースがアルヒミストカに質問する。


「貴方は誰?まぁ…良いわ答えて上げる。いま凄く日光が眩しくて、焼けて灰になりそう。」


取り敢えず、気分は良くないようだ。


「お姉ちゃん、またマイナス発言してる。」


「そうだぞ、たまには前向きな発言もしなさい。」


ミネロー公爵とカルピスはアルヒミストカを必死で励ますが…


「えぇ…でも、私、顔がカワイイ以外に取り柄ないし…」


と…アルヒミストカは答える。


「まぁ…そこは否定しないが…」


とミネロー公爵


(否定しないのかよ…)


「取り敢えず、私は将来が不安なの…その不安が何処からやって来るのかが怖いのよ。」


「不安はある方がいいですよ!不安が無い人生なんて逆に怖いです。」


「私は不安に絶望するしかないの。」


「だったら、その絶望とも仲良くなればいいんですよ!」


「は?そんなの無理よ!私にはそんな物信じられない。」


「なるほど…」


「そうなのよ!私に何も信じれる物なんてないのよ。」


アルヒミストカはとても精神状態が不安定なようだ。

クルースは一つ間を置いてアルヒミストカに言った。


「では、私は貴方が信じれる人になりましょう!貴方は私を信じればいいのです!」


「な、なに///新手の宗教かしら…?」


「いえ!違いますよ!」


-------ギュッ!-------


クルースはアルヒミストカの手を取る。


「ふぇあ///」


アルヒミストカの顔は赤くなる。


「ど、どうしましたか?顔が赤いですよ。」


「ひゃ…え…///」


さらにアルヒミストカの顔が赤くなり、頭からは湯気が登る。


「やめたまえ、クルース君」


「はい?」


「アルヒミストカは重度のコミュ症だ、いきなり君が触れたせいでキャパオーバーしてる。」


「あ…ホントだ…」


クルースは握っていた手を離す。

しばらくして、アルヒミストカは目を覚ます。


「はっ…!」


「あっ?起きましたね。」


「お父さん、この子は誰?」


「クルース君だよ」


「クルース・クリーガンです!」


「なるほど…私はアルヒミストカよ、よろしくクルース。」


アルヒミストカは落ち着き、自己紹介する。


「ねぇ…お父さん、何でクルースを呼んだの?」


「実はな、クルース君をお前の護衛にしようかなと考えていてな…」


「はぁ!何で?」


「変な者同士、掛け合わせたら面白そうだろ?」


「私変人じゃないし!」


アルヒミストカは自分は変ではないと否定する。


「まぁまぁ…変な者同士仲良くしましょう!あと、よろしくお願い致します!精一杯貴方をお守りします!」


「うっ…」


「さ!そうとなったら、荷物を運び出すの手伝ってください!」


「ミネロー公爵様、私の部屋は貰えるんですよね?」


「あぁ!アルヒミストカの隣の部屋を使ってくれ。」


「ありがとうございます!」


クルースは律儀にお礼をする。


「いやよ!私は!外は嫌だ!」


-------ガシッ!-------


クルースがアルヒミストカの腕を掴む。


「言い訳はいいから、手伝ってください。」


「嫌よ!嫌!イヤァァァァァッッッ!」


「気お付けるんだよ〜!」


ミネロー公爵はクルースに外へ連れ出される娘に元気よく手を振るのであった…

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