第8話「秀才と無知」

「初戦敗退なんて出来ない…!生徒会の名を背負っているんだ…!!」

クールな印象から一転、熱く燃えたぎるヨシカゲ。


「負けられない…!負けられないんだ…!!お前じゃ辿り着かない領域の思い出を見せてやる…!!くらえ…!!」


 ̄TOEIC800点!


全国模試、TOEICと秀才の思い出。

それは耐性などでは収拾がつかない程の大ダメージ…を与える事は出来なかった。


「0ポイント!!!」


「な、何だと!!??TOEIC800点だぞ!?」

世間では高得点エリートコースである。


「TOEIC800点ってどうなの?あんま知らないんだけど。」

そう…彼にTOEICの価値など知らない…。

無知が故の耐性。何も羨ましくすら無かったのだ。

秀才の思い出はただの結果となった。


「ふっ。使う相手を間違ったな。書記さんよ!」

自分の事のように自慢するハルキ。


そして決着はつく。

「分かったぜ相手の弱点が…!ここはこのカードだ!」


 ̄小学校の時、バトルえんぴつを全種類制覇してチヤホヤされた!


「1800ポイント!!」

立て続けに高得点を繰り出すタクト。

「よしっ!!」


周囲は驚愕していた。

「バトエンや芋掘りであんなダメージを…!?」

「まさかヨシカゲって…!!」

皆の頭によぎる感情…。それは…。


「ヨシカゲって可哀想…!」

皆にとってありきたりな思い出が弱点となったヨシカゲ。

幼き頃からエリートコースで育てられた結果、敗北。


「勝者!タクト!」

ジャイアントキリング。

タクトの名前は学校中に轟いた。


「負けたよ…!1年…!」

「ヨシカゲ先輩…!ありがとうございました…!」

「次は負けねぇからな…!」

「はい…!僕ももっと勉強してきます…!」

「うるせぇよ…。」


1回戦とは思えないハイレベルな戦いに拍手が鳴り止まない…。


その後数々の戦いが繰り広げられ、舞台は2回戦へと進む…。

ふるいにかけられた猛者達が集結する…。




「あーあ。ヨシカゲのヤツ負けたんかいなぁ…!生徒会の名前に泥塗ってくれたのぅ…!」

「まあまあ落ち着きなよ。僕達が最強を示せばいいじゃないか…。」


続く

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