03 詩 鞭のばけもの



「改造手術が終わりました」


「生きた武器、思考のある道具。まるでばけものだな」


「大丈夫ですよ。主である我々には従順ですから。そう設定しています」


 鞭で打ち据える


 敵をいたぶる


 肉を打つ音がたまらない


 悲鳴を聞いて心地よくなる


 きっと前からこうだった


 世界になじめぬ異端だった


 生きてていけない生命だった


 そう思って 隠していた


 心の欲求 邪魔だった


 けれども 今は 役立っている


 地獄のような目にあって


 バラバラになった体と心


 奴らを恨んだ事もあった


 けれども今は感謝している


 私が「らしく」生きられるから


「反逆なんて恐れなくてもいいのに」


「私は今の状態を気に入っているのだから」 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

詩集 武器のばけもの 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ