転生者アーサーが破滅エンドを回避し、「二刀流」で成り上がっていく物語。
- ★★★ Excellent!!!
転生者アーサーが悪役貴族としての破滅エンドを回避し、「二刀流」という最強のビルドで成り上がっていく物語。
流行の要素を押さえつつも、主人公の強い決意と原作知識を武器にした物語の展開に、引き込まれる魅力があります。
この作品の最大の魅力は、「悪役貴族への転生」というおなじみの設定に、「誰も見向きもしない最強のビルド(二刀流)」という要素と、「残り時間1年」という切迫したタイムリミットが加わり、物語の導入から一気に加速している点です。
14歳の誕生日という初っ端の「破滅フラグ」を、原作知識と二刀流のポテンシャルで30秒で粉砕する展開は、非常に痛快でカタルシスがあります。読者が期待する「ざまぁ」を序盤からしっかり描けているため、掴みはバッチリです。
「二刀流」という、見た目の華やかさと火力を兼ね備えた剣術が、主人公のアイデンティティとなっていく過程にロマンを感じます。また、それが「ヴォルフシュテイン一族に伝わる奥義」という設定と結びつくことで、説得力も増しています。
読者の期待する要素を過不足なく盛り込み、テンポ良く、痛快にまとまった作品です。