回復しかできないFランクの少年・ユリナス。
彼がスカウトされたのは、あこがれのA級パーティー。
しかし――それは、囮として差し出すためだった。
最強ボス・銀竜の爪で命を奪われたユリナスは、何故か目を覚ます。
理由はひとつ、「新鮮な方が美味しいから」。
こうして始まったのは、ダンジョンでの地味で過酷な下働き生活。
掃除、食事、骨の整理。
1年間、地味で奇妙な共同生活を経て、彼は銀化という唯一無二のスキルを得る。
そしてついに、自由の扉が開かれた。
だが、竜の瞳はどこか寂しげで……。
裏切りから始まり、再生と愛着に至る、
誰にも期待されなかった少年と孤独な竜の、
じんわり温かく、時に切ない、再就職ファンタジー。