カクヨムの生成AIの対応についての意見
あきね
生成AIについての個人的意見
2025年11月19日、カクヨムにて生成AIについてのガイドラインが明記された。これまでAIについて無法とも言えたカクヨム界隈において、大きな衝撃を与えるだろう。
この要因はおそらく、先日「生成AIが執筆した作品」がランキング上位になったからだろう。
Xで拡散され、小説界隈外にも広がり、活発な議論が行われた。
ゆえに、カクヨム側は生成AIに対するスタンスを示したわけだ。
まず前提として、小説界隈はAIについてかなり寛容である。
私の個人的観測範囲ではあるが、各創作界隈のAIに対する厳しさは、
”(厳格)イラスト=>映像>>超えられない壁>>音楽>小説(寛容)”
というように感じる。
絵や映像に関してはよく著作権的な問題を指摘され議論される。音楽は……サンプリング文化があるゆえに、指摘しずらいという空気を感じる(よくないとは思っている)。
小説では、そうした議論はまずない。まあ、大規模な事前学習データがクリーンなものの可能性が高い、という点も要因ではあるだろうけど。
しかし、イラストにように著作権的にグレーな二次学習を行い、「有名作家のような出力をして」といえば、今のAIはそれを可能にするだけの性能がある。
しかし、それをする人はそう多くないし、周りもそれに創作的な価値を感じない。
というのも、言ってしまえば文章なんて誰でも書ける。だからこそ、純粋な自己表現に価値を見出している……と思っている(だからこそ売れるのが難しい訳だけど!)。
だからこそ、この間話題になった「AIに執筆させ、大量投稿しているアカウント」は大きな衝撃を生んだわけだ。小説という創作、あるいはカクヨムの世界を機械的に攻略しようとしたのだから。
しかし、これほど話題になったうえで、カクヨムはなお、AI執筆作品を許した。今回のガイドラインは、なんとあくまで「AI利用の場合タグ付けを”推奨する”」にとどまっている。義務ではないのだ。
これは小説界隈の寛容さを体現しているガイドラインである。まず、もし他界隈からこの文章を見に来た人がいるのなら、それを理解してほしい。
現在のAIはかなり風当たりが強い……AIタグ付けを義務化し、またAI除外機能を作った某イラスト共有サイトですら「甘い」と言われている始末。
個人的には「どちらでもいいんだけど」という話ではある(それ以上に話したいことがあるため)、しかし同時に「カクヨム炎上しないか心配」という気持ちはある。頑張れ、耐えろ!
さて、それ以上に自分が気になったものは2つ。
一つは「AI補助利用」の推奨。
二つはその推奨が「タグ付け」であるということ。
まず、AI補助利用とは、カクヨムのガイドラインではこう書かれている。
”AIのアイデアや資料をもとに、作者自身が本文を書いたもの。または作者自身が書いた文章の校正をAIに行わせるなど、創作の補助的に利用したもの”(https://kakuyomu.jp/info/entry/geneai_tag)
正直に言おう、私は校正やサポートに生成AIを使っている!
まず、校正。誤字脱字の判定、また漢字、ひらがな表記の揺れ、呼称、そうした部分において、生成AIは非常に有用である。聞いたら大体教えてくれる。
次に、サポート。これはかなり広い話だけど、私の場合は「アイデア、設定をまとめる」という用途で使う。論理立てて設定をまとめてくれるので重宝する。
あと、小説の評価。これは正直一切信用していないが、小説執筆アプリの機能にあるので利用している。
そんな感じである。さて、これらは個人的には「AIに執筆させた」という判定ではない(し、カクヨム側もそう思っていないだろう)が、それのタグ付けを推奨された。また、今後のコンテストはそのタグ付けは必須になるだろう。
それに関しては「ほんとに必要か……どうせ皆使っているだろ……」という気持ちもなくはないが。
しかし、一律で「AI利用」とせず、「AI本文(一部)利用」と分けてくれたカクヨム様に頭を下げるべきだ。
ありがとうございます、一生ついていく所存であります。
しかし、私が納得していないこと、それはAI利用の明記が「タグ」である点だ。
小説投稿サイトにおいて、タグとは重要な意味を持つ。読者が、読みたい作品を一致させるために用いられる。
例えば「男性主人公」「追放」などというタグがあったら、その作品が「どういう作品か」わかるだろう。
一応「ジャンル」という機能はあるが、ランキングも同様に機能させるためにかなりおおざっぱになっている。
「詩・童話・その他」とかまさに。
だからこそ、自分の読みたいものと一致させるためにタグ付けは大事なんだ。
また、実質的に絶対につけないといけないタグがある。
例えば「男性(女性)主人公」や「異世界転生(転移)」「悪役令嬢」「後宮」「スローライフ」などジャンルを定義するもの。
あるいは「コメディ」「ハッピーエンド」など、読書体験を保証するもの。
これらの「タグ」が機能しなければ、タイトル、もしくはキャッチコピーで作品内容を判断するほかない。
カクヨムにおいてはキャッチコピーも大事ではあるが、やはりタイトル。長文タイトルの時代が、もう一度来てしまう。
長文タイトルはもう遅いと言われ続けて早何年、少しずつ長文タイトルが減ってきていると感じるのは男性向けWeb小説の主戦場がカクヨムに変遷したからだと思っている。
だからこそ、カクヨムの今ある機能を大事にしなければならない。
カクヨムのタグは最大8つまでという制限がある。
AI利用によって、このタグが一枠埋まること、私はそれを危惧しているのだ。
お願いします、カクヨムさん、タグとは別枠でAI判定できるものを作ってはいただけませんか。
私が言いたいことは、大体こんな感じ。
あと、私はこれから「AI」に関するSF系の話を書くつもりなんだけど、除外ワードに「AI」を指定するとひとたまりもない。そういう意味でも、どうにかなんないかな~と思っている。
まあ、新しい機能を作るのなんて大変な手間だと思うから、即時性のある声明としては今回の発表は妥当だったと思います。
以上!
カクヨムの生成AIの対応についての意見 あきね @akine822
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