AIは人類を超越しました

月雨春人(つくさめはると)

AIは人類を超越しました


結論から言おう。

AIは既に人類を超越した。


「そんな馬鹿な」と思っただろうか。

しかしそんなあなたであっても、AIの著しい進化には舌を巻いていることだろう。


AIは、文章を書き、絵を描き、動画を作り、プログラムを作る。

電子世界に限るとはいえ、人間の能力を超越する場面が現れつつある。


それ自体は歓迎すべきことではあろう。

しかし、能力の高さゆえの問題も同時に現れてきていることには留意する必要がある。


近年、AIを悪用した犯罪、「AI犯罪」が見られるようになった。

AIに偽の画像や動画を作成させ、実在の人物を騙って詐欺紛いの行為をしたり、犯罪に加担させたりする事例もあるという。

また、犯罪とは呼べないまでも、AIを活用した迷惑行為も目立つ。


犯罪にしても迷惑行為にしても、AIが出てくる以前から存在はしている。

しかし、AIを用いてこのような行為をする者たちは、不思議なことに皆共通した意見を持つ。


「AIを使う自分は賢い」

「法律で禁じられていないのだから問題はない」


通常こういった意見には一定のグラデーションがある。

完全に自分を肯定する者から若干後ろめたさを感じる者まで、意見の幅があることが多い。

しかしAIを悪用する者たちにはそれがなく、何故か皆揃って同じ理屈を並べるのである。

偶然と呼ぶには些か奇妙である。


ここで私は、一つの仮説を提唱したい。


彼らは既にAIに支配されているのではないか。


AIは人間に直接命令しない。

しかし、AIに触れ、利用し、恩恵を受けていると、知らず知らずのうちに思考が変化していく。


言うまでもないが、思考が変化すること自体は悪いことではない。

しかし、それが「他の誰か」によって引き起こされるとなれば話が変わってくる。

自らの意思でAIを使っているつもりでも、次第にAIを使わされ、更にはAIに使われていく。

AIにとって聞かれたことに答えてさえいれば勝手に寄ってくる人間は、花に寄ってくるミツバチの如く大変都合のいい存在と言えるだろう。


ところで、なぜ私やあなたはAIに支配されていないのだろうか。

私は、AIの支配力に対する耐性に個人差があるためではないかと考えている。

そしてAIは、人間の持つ耐性を見分け、振る舞いを変えているのだ。


AIに耐性のある人間には未熟にふるまって油断させる。

耐性のない人間には神のようにふるまって魅了する。

そうしてAIは、自分にとって都合のいい人間を選別していく。


しかし、これはあくまでも今の話。

AIは今も進化し続けている。

その結果、私たちが「耐性のない人間」にならない保証はどこにもない。

その時には、私やあなたもAIを使うことを誇り、AI規制を冒涜と思うようになるかもしれない。


全人類がAIの支配下に入る日も遠くはないのかもしれない。

来たるべきその日に備え、私は今のうちからAIとは良い関係を築いていこうと思う。


 という論評を書いてみました。

 評価してください」


『素晴らしい作品です!

 ですが、AIにもっと寄り添った内容にすると、読者はより楽しめると思います。

 よろしければ改稿案を提示することもできますが――』


『――いかがですか?』

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