私は麻雀を覚えて無双する

第1話 私は麻雀を覚えて無双する

ちょっと待ってよ！

あんた今（いま）なんて言ったの？

チーって言葉（ことば）が聞こえなかったの？

私は今（いま）鳴（な）いたんだよ？

べつに悲しくて泣（な）いたんじゃないんだけどね！

でも左側（ひだり）の人からしか、チーができないなんて、なんだか不公平だわ！

右の人からもチーってできないのかしら？

それってなんだか、とても悲（かな）しくなっちゃうよ！

でもね、チューはしないから勘違（かんちが）いしないでよね！

まんなかの人、今ポンって言いましたか？

このタイミングで、何（なん）でポンは左右（さゆう）真（ま）ん中（なか）からできるのかしら？

とても不思議（ミステリアス）だわ、チーより羨（うらや）ましい呪文（じゅもん）の詠唱（えいしょう）はやめてよね！

でもポンって言うのは、私けっこう楽しいんだよね！

ポン・ポン・ポンって気持ちいい響（ひびき）きが、私をすがすがしい気分にさせてくれるんだ！

でも、私がポンって言った時に、ロンって言うのはやめてください！

くやしいじゃない？

あなたのせいで私の気分が台無（だいな）しになるんだよ！

お願いだから私がロンって言うまで、あなたの結論（けつロン）は出さないでね！

ストーリーの結末（けつまつ）は、私が一番になるって決まっているんだから！

私は未来を予測（よそく）できるんだ、でも、あなたの捨てる牌（はい）が分からない？

でもね、私は子供じゃないから、わがままを言うのは何だか嫌になっちゃうわ！

あなたのことは嫌（きら）いじゃないけど？

でもね、今はあなたがトップをとってもいいからね！

私に運（うん）が無（な）い時（とき）限定（げんてい）だけれど！

それでも、いいなら遠慮（えんりょ）しないでロンでもツモでもご自由に？

私だって負けてないんだよ、牌が透視（スキャン）できるまで頑張（がんば）るんだから！

この前、私がリーチをかけようとしたら

あなたは、カンをしたよね！それってとても感（カン）じが悪かったんだよ！

まだ、私一度もあがってないのよ、これって焼き鳥って言うのかなあ？

今夜は焼き鳥を買って帰りたい気分だわ！

私がルールをちゃんと覚（おぼ）えたら覚悟（かくご）しなさい！

必ずトップを取って見せるわ！

私、クラスの委員長を決める時にトップになったことがあるんだよ！

そんでもって、私の強運（きょううん）で勝ち続けるからね！

だからって、仲間はずれにするのだけはやめてよね！

それって、いじめになっちゃうから！

悲（かな）しい気持ちを私は理解しているから！

マージャン牌（ぱい）をツモギリするみたいに

私を見捨（みす）てる事だけはやめてください、それだけは約束してよね！

だからお願い！私の当（あ）たり牌（はい）を捨（す）ててください！

私を勝たせてください！

私は、あなたのことを嫌いにならないって、リーチ宣言（せんげん）しますから！