小さなてるてる坊主、十年分の願い。

てるてる坊主の視点から語られる時間が、とても静かに心にしみました。
見守ることしかできない存在だからこそ、喜びも寂しさも優しく受け止める語りが印象的です。
旅立ったあとも変わらず願い続けるその姿に、手放すことの切なさと、愛情の形のあたたかさが重なり、読み終えたあとにほっと晴れ間が差すような余韻が残りました。