クラス一の美少女のパンツを守れ!!
放課後になり、俺は考えていた。次の標的は
『苺がお前のパンツ狙っているから、気を付けろ』
……いやいや、どう見てもただの変態だろ!! 逆に俺が通報されるわ!! とはいえ、ほおっておくのもなあ。
「あの……下北君?」
「うおっ!! さ、桜井?」
「う、うん。どうしたの?」
「いや……こっちの話。で、どうした?」
「実はね……こんな予告状が届いたの」
『本日、あなたの下着を頂戴しに参ります by 怪盗パンツ』
「……これ、どこに?」
「私の下駄箱の中に」
「なるほどねえ。で、どうしてそれを俺に?」
「その……私の家にこれから来てくれないかな?」
「……ええええ!!??」
いやいや、ちょっと待て、なぜそうなる? 俺は男で、桜井は女の子だぞ? そりゃ仲は良い方だと思うが……
「ど、どういうこと? 俺男だぞ、まずいだろ」
「ボ、ボディーガードとしてだから、女子だと心もとないなって」
「だからといって、どうして俺?」
「下北君は飯津さんの彼氏だから……大丈夫かなって」
……相変わらず苺のクラスメイトからの信頼は凄いな。残念なことに、その苺が犯人なわけだが。しかしこれは……苺の犯行を防ぐチャンスじゃないか?
「分かった、引き受けるよ」
「本当? ありがとう♪」
桜井は両手を合わせて喜んだ。うーん……やっぱり桜井は可愛いな、さすがはクラス一の美少女と言われるだけはある。そんな子の家にお邪魔できるって、実はかなり役得なのでは?
「あ……でも、ご両親になんて思われるか」
「今日はお父さんもお母さんも仕事で遅くまでいないから、大丈夫だよ」
「さいですか」
***
桜井の家に着き、部屋に案内された。これが桜井の部屋か……想像通り、可愛い部屋だ。そういえば女の子の部屋に入るのは、苺を除けば初めてだな。
「そこのテーブルに座って。はい、お茶」
「ありがとう。お……美味いな」
「うち、両親が和風文化が好きだから、お茶の葉にもこだわっているの」
そう言って微笑む桜井は、いつもより自然体に見えた。服も私服に着替えている、クラス一の美少女は私服姿も素晴らしく可愛い。苺という彼女がいる俺だが、さすがに桜井クラスの美少女を目の前にして何も思うなと言う方が無理である。
「それにしても本当に驚いたよ、苺の彼氏とはいえ男の俺を家に呼んでくれるなんて」
「……実はね、ボディーガード以外にも理由があるの」
「そうなのか?」
桜井は静かに頷いた、何と言うか……こういう仕草も絵になるな。桜っぽい良い匂いがする、香水か何かだろうか? 大和撫子な桜井によく似合っている。
「その……飯津さんのことについて聞きたくて」
「苺について? 何でまた」
「私……飯津さんに憧れているの」
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