手放す光
和よらぎ ゆらね
手放す光
廊下に落ちる影がゆっくりと伸びていく
あなたの影と私の影は細い糸のように絡まり
最後の瞬間だけ、ほんの少し強く結ばれた
呼吸ひとつで揺れる空気が
今日を境に世界が変わることを告げていた
いつも甘やかしてくれたあなた
いつも大切に思ってくれていたあなた
時には本気で怒ってくれたあなた
そんなあなたの手を離すと
その温度がまだ指先に残っていて
まるで過去がそっと名残を引くようだった
未来へ向かう足取りは少し震えていたけれど
その震えごと今日という思い出に刻まれる。
ありがとう
小さな声でそっとつぶやいた私は
涙ぐむあなたを背に、そっと歩き出した
手放す光 和よらぎ ゆらね @yurayurane
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