第2話 棘を落とす
彼女が何かを起こした。
それは僕にとっては由々しき事態。事件を起こしたにしてはあまりにも早すぎる。
「紺、先に食べといて、急いでくる」
僕は慌ててラーメン屋から出て行った。
事件を起こしたと思われる彼女の発言。
何かがあるはずだ。
僕は店の周りを探し回ることにした。
その頃ラーメン屋の二人はある会話をしていた。
黒種草「そういえば君って白菊君の友達だよね、ここに何しにきたの?」
綾波「俺のわがままでただラーメンを食べに来ただけだ。それに蓮に何かしたか?」
黒種草「ううん。何もしていない。」
すると彼女は夕方の事を紺に話し出した。
黒種草「私は今日、白菊君に告白したの。でも断られちゃってね、でもまだ白菊君の事は心から好きだと思ってるの。だから私はまだ何もしていない。今のはただ嘘を付いただけ…私ね、君に聞きたい事が一つあるの」
綾波「そうか。わかった。なんでも聞きな」
そう。彼女は僕に対して嘘を付いていたのだ。でも目的は僕では無かった。
すると彼女は紺に問を投げる。
黒種草「白菊君とはどんな関係なの?」
綾波「気楽に相談できる友人ってとこだな。あんたにとっては蓮は何だ?」
黒種草「うーん……」
黒種草さんは考え始めた。
少し経ったあと彼女は答えを出した。
黒種草「白菊君は私と同じ、だから大事な人なの」
綾波「大事な人?」
黒種草「うん、大事な人。私にとって白菊君は命を助けてくれた恩人なの。」
綾波「恩人だと?蓮が何かしてあげたのか?」
黒種草「実は私ね、殺人事件に巻き込まれたの。私は被害者の妹。警察でも謎を白菊君は解いてくれたの。」
綾波「あの事件の被害者か!」
黒種草「うん。私の姉が殺されたの。警察はその場の証拠品を回収するだけで事件を解くと言ったっきりで何もしなかったの。でもその事件を解いてくれたのが白菊君なの。私は本当なら姉が殺された後、自殺しようと思っていた。それを止めてくれたのもあの白菊君。今でもその恩は忘れていない。むしろそれが恋心に変わっていったの。」
綾波「3年前の事件だろ。あのころの蓮はすぐに解いた謎の真相を警察にも言う奴だったんだがな。どっからあいつの謎に対する執着が生まれたんやら」
すると黒種草さんの目から涙が溢れ出してくる。
黒種草「なのに私が謎を作るなんて言ってしまった。皮肉にも私も謎をふっかけられた側なのにね。」
綾波「そうか。よし。ならば手伝ってやろう」
そして紺はこう言った。
紺「俺は黒種草さんに乗ってやる。」
ふふっ…
すると少し黒種草さんが笑った。
「馬鹿みたいね。私のこんな謎に満ちた恋を応援するなんてね。でもありがとう。」
黒種草さんの涙は引いたみたいだ。
肩の荷が降りたのだろう。
「奢ってやる。好きなもん頼め」
その話がちょうど終わったとき僕はラーメン屋に戻ってきた。
「黒種草さん。何処に何を仕組んだんだ?」
黒種草さんは少し考えこう言った。
「ごめんね。謎を作ったって言ったのは嘘。でも謎は作る気だよ。」
またしても意味が分からない。なぜ僕を一度この場から突き放したのか。
するとちょうど店員がラーメンを持ってきた。
あいにく走り回ったせいかさらにお腹が空いている。
それに半チャーハンと餃子もだ。
「いただきます」
僕は先に半チャーハンを口の中にかき込んだ。
「美味しい!」
チャーハンは非常に美味であり最高だった。
でも隣にチャーハンを欲しがってそうな黒種草さんの姿が見える。
僕は彼女に残ったチャーハンを差し出した。
「お腹空いてるんだよね」
すると彼女は目を輝かせながらチャーハンを食べた。とても幸せそうな顔だ。よっぽど美味しかったのだろう。
僕たちは頼んだ物全て食べ終え会計に向かった。
こうして僕たちのラーメン屋での食事が終わった。
そして僕たちは外に出る。
蓮「めっちゃ美味しいね。ここのお店。また行きたいと思えるほど美味だった」
紺「そうか。今回全員分奢ったが今回だけな。」
黒種草さん「今日はありがとうごさいます」
そして現地で僕たちはお開きとなった。
帰り道僕は思考を巡らせる。
やはり何かがおかしい。
黒種草さんは僕に事件を作って解かせてあげると言ったはずだ。
なぜ今回は嘘を付いた?
それに紺となぜいきなり仲良くなった?
僕はそれを考えながら帰路に付いた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます