第6話 クリムゾンスネークVS勇者パーティー

テオフィル様達は、1歩1歩慎重にクリムゾンスネークをなるだけ起こさないように進む。ある一定の距離で何か音がしたのだろう、クリムゾンスネークの目がパチリ。と開く。その目はテオフィル様達をじぃっと見て、ドンドン獰猛な目に変わる。黄色の目が獲物を見るような、目つきに変わる。ちろちろと舌をだす。そしてシャアー!!と咆哮する。素早いスピードでテオフィル様達を攻める。ガイが防いだり、聖女様が回復したり、アンジーが支援魔法や身体強化からの弓矢を引いたりしてもクリムゾンスネークには傷一つ付けれない。むしろかなり劣勢だ。ガイが今は盾で何とか防いで、テオフィル様が聖剣ドラゴニルで勇者専用技ブラストスラッシュを放ったり、アンジーからの身体強化ブーストをかけてもらってもあの状況だ。全力を尽くしてもクリムゾンスネークには刃が通らない。皆かなり疲れてるみたいだ。ついにその均衡が崩れ去る。クリムゾンスネークが予想外の動きをして、タンクのガイが吹っ飛ばされたのだ。致命傷には至ってないみたいだがあれでは盾を持つことはおろか、立つことすら難しいだろう。聖女様がガイの元に駆け寄り、ヒールをかける。その間にテオフィル様やアンジーが応戦する。クリムゾンスネークの猛攻にテオフィル様やアンジーは精一杯だ。そしてテオフィル様は必殺技を放つ。聖剣ドラゴニル自体が光り輝く。勇者専用必殺技ブラストクラッシュ!!とテオフィル様がいい、聖剣ドラゴニルで一線する。ギャアア!とクリムゾンスネークは叫び声をあげる。「やったか!?」テオフィル様が言うと、少し頭の部分に傷ができ紫の血がぽたり、ぽたり。と滴り落ちる。激高したクリムゾンスネークは咆哮をあげ、テオフィル様ばかりを執拗に狙う。クリムゾンスネークの猛攻を何とか防ぎながらテオフィル様は1つの決断をし、僕らに話す。「水辺の一角に青く区切ってある場所が見えるか?あの場所は緊急時のセーフティエリアだ。セーフティエリアと言っても5分しか持たない。そしてダンジョンの出入口まで移動する転移石が"4つ"だけ置いてある。」……4つ?じゃあ誰かが犠牲になる必要があるのか?と考えているとセーフティエリアにみんな走れ!とテオフィル様がいい、僕もダッシュで走る。テオフィル様が入るとすぐにセーフティエリアが発動する。テオフィル様、ガイ、聖女様、アンジー、僕ら目の前には牙を剥き猛攻するクリムゾンスネーク。討伐が出来なかった。そしてテオフィル様は不気味な笑顔で僕に驚くべきことを言うのだったーー。

「アシル、君が残れ」

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