第2話
次の日も雨。職場に行くと気になって何となく昨夜の店をネットで検索する。出てこない。。。不思議なのは何もヒットしないのだ。ああいう店なら今ではSNSでも紹介されそうなのに。
昼に同僚と外のカフェに出てハンバーグを食べながら「地下鉄の駅をひとつ越えた先にロシアンティーも出す喫茶店があったんだけど木村は知っているか?」と言うと木村は驚いたように、「ロシアンティー?お前そんなの好きなのか?」と言ってから、「さあ知らないなあ。俺はウォッカでも出してくれる方が。」と言うと話は明日のプレゼンの話に変わってしまった。
私は帰り道にまた寄ろうと19時過ぎにはなったがプラウダに行く。やはり同じところにあり私はホッとする。マスターにボルシチを頼むと再び読書灯の下、チェーホフを読む。マスターに閉店時間を聞くと22時とのこと。ロシアンティーを閉店前に頼み至福の時間を味わった気分になる。
次の日も雨が降り続けた。私はプラウダに行くつもりだったが、急な仕事が入り、三咲さんと後処理に追われて20時近くなった。急いで帰ろうとする私に三咲さんが「愛川君、夕食食べて帰らない?おごるから。」と言われて、
「いやあちょっと行きたい店ありまして、三咲さんはボルシチとかダメですか?」と言うと「え、ボルシチ?大好物よ。この辺にそんなの食べられる店あるの?」と聞かれ、プラウダのことを話すとそこで奢ってくれることになった。
三咲さんを連れて行くと、マスターはいつものようににこやかに迎えてくれた。「愛川君、ありがとう、こんな店知らなかったわ。いい店だった。」と三咲さんも帰り際に言ってくれた。大変気に入ったようで安堵した。
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