とにかく語彙力が素晴らしい。ここで言う語彙力とはただ難しい言葉を使っているということではなく、美しい言葉を適切に使っているということである。表現力とも言える。とにかく脱帽。話としては大きな盛り上がりがあるタイプではない。だが、それでいい。そこがいい。情景と描写の調和を皆さまもぜひ。
起承転結や登場人物で「主張」する作品は疲れます。小説とは何ですか?そう考えていたときに出会ったのがこの作品です。作品そのものが人間が生きるということが何か、人間関係とは何かを示していると感じました。言葉の力、言葉の世界の広がりに感服いたしました。