第三次世界大戦

みつはに

第1話 奇跡の島

「暑い⋯」


「親分、このままじゃ焼け死んじまう⋯」


とある島に船が遭難した。


「だから嵐が来るから引き返そうって言ったのに⋯」

「ああ?!なんか言ったか?!」


「ひぃ!なんでも!」


じゃぶん


「親分!魚、取ってきました!」


「おお!でかしたぞ!!」


砂に叩きつけられた魚は一匹。

今ここにいるメンバーだけでも10人はいる


「・・・うぉおおおおおおおおお!」

一気に争奪戦が始まった。


「この魚は俺のもんだ!!」

「いいや俺だね!」

「俺だろう!」


「おい、親分は俺様だぞ?」

「・・・」


親分の声に一同は静まり返る。

10秒くらいたち、

「⋯取ってきたのは俺だ!」

子分の一人が弱々しく言った


「親分の俺に従うのがお前らだ!」

すぐさま反論する

「⋯なんでもかんでも親分親分うるせえんだよ!!」


「そうだ!親分だからなんだ!」


「!?お前ら!!!!!!」



「そこでなにしているの?」

なんと、草から人が出てきたのだ


「ああぁ?なんだ小僧」


「ここに住んでるんだよ!」


「おい、こんなやつ居たか?」


「いえ⋯確か⋯」

子分は一斉に首を振る

「?君達は誰?」

「それは、俺達が聞きたいなぁ??」

へへへっと盗賊たちは笑う


「だから、俺はこの島に住んでるんだ!!」


「は、はぁ?住んでる?一人でか?」


「うん、そうだけど、君たちみたいな動物初めて!」


「動物じゃねぇ!俺たちゃお前と同じ人間だ!」


「人間?俺と同じ?」

「あぁ、で、お前、名前はなんていうんだ」


散々驚かせられた盗賊が名前をきくが⋯

「なまえ?」

と少年はとぼけるのみだった

「はぁ?お前、そんなこともしらないのか?」

盗賊は驚きを隠せない


「うーん、俺、記憶が曖昧なんだよね⋯」


「記憶か⋯じゃあ新しい自分ってのはどうだ」


「!それすごい!俺、なるよ!!」


「じゃあ俺らが名前をつけてやる」


「いいの?」


「そうだな、よし、お前はソーヤだ」


「ソーヤ⋯」


ソーヤと名付けられた少年は初めて自分の名前を認識する


「ああ、それでだ、船が直るまでここに居させてくれねえか」

後ろにはボロボロの船。


「うん、いいよ!よろしくね!ええっと⋯」


「徳本伊吹だ」


「伊吹さんだね!よろしく!」


「あっソーヤ!親分と言え!」


「えっやだよー、だって俺、伊吹さんの子分じゃないもんね!」


「ソーヤ〜〜〜〜〜!!!」







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

第三次世界大戦 みつはに @hatimitu112

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る