第4話

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ロンドン北部、かつて"天空の庭園”と呼ばれた地下迷宮の入り口。

そこでは、イギリス人冒険者たちが最後の防衛線を張っていた。

赤黒い霧が地平線を覆い、魔物の群れが押し寄せている。

防衛戦のリーダー、冒険者ギルドの老戦士ガレスは、血まみれの剣を握りしめ、荒い息を吐いた。


「……もう、持たんか……」


ダンジョンの奥では避難民たちが震え、空は竜の影で赤く染まっていた。

人々は祈ることすらやめ、崩れ落ちる街を黙って見つめていた。

希望など、とうに消えたと思われたそのとき――


轟音が、空を裂いた。

まるで太陽が再び昇ったかのような閃光が霧を切り裂き、巨大な赤竜の翼が燃え上がる。


「な、なんだ!?」

「見ろ! 空を――!」


雲の上から降下してくる銀翼の編隊。

日の丸を背負ったF-35と、イギリスのEFタイフーンが混成で飛来していた。

その中央には、空の冒険者――風を操る日本の魔導士・神谷遼が乗る飛行艇の姿。

赤竜を討ち取った英雄たちが、再び戻ってきたのだ。


「こちら第一航空隊! ロンドン防衛線に合流する!」

無線に走る声が、途絶えかけていた希望を呼び覚ます。

イギリスの無線士が涙で声を震わせながら叫んだ。

「…希望だ! 日本軍が…日本軍がきたぞ!!」


人々の間に歓声が走る。

街の教会の鐘が、久しく鳴らされていなかった音を響かせた。

ガレスは崩れた瓦礫の上で、空を見上げ、震える声で呟いた。

「……我らは、まだ終わっていない。」


そして反攻作戦が始まる。

日本とイギリス、そして生き残った冒険者たちがひとつになり、魔物の支配に挑む――。

ロンドンの空は、再び人類のものとなるために燃え上がろうとしていた。



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