第3話 依頼

「…行ってきます。」


 俺はとある写真一枚にそう語りかけると、家を出て依頼を果たしに少し遠くにある廃工場へ向かことにした。タクシーを拾うと顔が残る…が、電車はもうない。徒歩40分ほどかけてたどり着いた廃工場は、20年前でその稼働を停止したそこそこ大規模な工場跡地だ。タン、タン、と足音を殺しながら金属製の階段を上がって行く。


「よし。始めようか。…だ。」


 グレーのスーツに身を包んだ中太りの男がそう言うと、人間とは思えない2m近くの身長をした黒ずくめの男が無言でスーツケースを持ち上げた。…そうか、今回の依頼はを阻止し、殺害しろ。ということなのか。そう自己完結をして、なんの警戒心もなしに殺しの体制に入ると突然…!


 ゴシャッ!…


「ウングッ!…」


 ギリギリ受ける瞬間体を浮かせて衝撃分散をしたが、とてつもない威力で反対側の壁まで飛ばされた。少なくとも8mほどはあった。そんな距離を、突然後ろから殴られて吹っ飛ばされたのだ。壁にぶつかる瞬間に体を壁に沿って回転させて衝撃を逃がしたが、思い切り地面に落ちた。


「ハァ…ハァ…何者なにもんだ?」


「はっはっは!!」


「!?…」


 先ほどの中太りのジジイだった。なんてこった、とは…


「そ"の…腕には"めてる…鉄の武具は?…」


「ハッ、こいつはと言ってな。高圧ガスの噴射によって高威力のパンチを放つ最強武具!を使用できる肉体強度をもつ唯一の人間だ!ガハハ!」


「そ"うか…。」


 正直すでに意識は遠のいていた。そんな時に…


「あんたら、を邪魔しないでくれる?」


 謎の女が現れた。

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掃除屋 ~佐々木~ 田村ひさし @Tamura_1008

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