第24話 罠カード発動。落とし穴!2

 

「さて、腹も満たされたし、罠を作るか」


「うむ!満足したから働くぞー!」


 サーヤはチェーンソーをぶん回し、やる気満々だ。


「いや、もう丸ノコだけで十分だからチェーンソーは使わないぞ」


「なに!?今日はチェーンソーは使わないのか!そうか・・・・・」


「そんなのにしょんぼりしても駄目だ。まずは罠を仕掛けるポイントに移動する。罠を仕掛けるポイントは5箇所、それぞれに落とし穴とスプリング・スピア・トラップを仕掛ける。」


 壮真は地図上にA~Eの印を付けている箇所5か所を指さし、サーヤに説明をする。


「まずは“落とし穴”を作る。確実にスプリング・スピア・トラップを当てるために落とし穴で足を止める。その落とし穴の設置予定場所へ向かうぞ。」


 壮真たちはまずAと書かれている箇所を目指した。


 場所的にはサーヤの洞窟から10分ほど歩いた場所にあった。


「しかし、なぜ5か所も設置するのだ?」


「クマは結構、歩き回る動物だからおびき寄せるのに色々な所にあったほうが対応しやすいからな。」


「なるほど・・・出会った場所から一番近い罠へと誘導するのだな。」


「そうそう、長い距離だと誘導が難しいし、クマもずっとついてくるとは限らないからな・・・、おっ!着いたな、ここが設置場所A地点だ。」


 そう言いながら壮真はリュックから、朝のうちに集めておいたツルや枝を取り出した。


「まずは穴を掘るぞ。穴の深さはそこまで深くなくていい。クマの頭がスピアの前に来るぐらいの高さに合わせて掘る。」


 壮真はスコップを持ち、近くの地面を掘り始めた。


 ザクッ・・・・・・ザクッ・・・・・・。


「壮真殿、腰が入って無いぞ、それじゃあ時間がかかりすぎる。私が代ろう。」


 サーヤはスコップを受け取ると――


 ザクッ! ザクッ! ザクッ!


「はやっ!? なんでそんな早いんだよ!」


「状況によっては落とし穴や塹壕なんかを作っていたからな!」


「なるほど、でもそれにしても早いな!」


 サーヤはまるで豆腐を削るかの如く地面を掘っていた。


「やはりこの折り畳みショベルはすごいな!硬い地面にスーと入っていくぞ。」


 サーヤはあっという間に深い穴を掘り終えた。


「よし、次はどうするのだ?」


「次はフタを作る。枝を編んで、その上に葉っぱを敷くんだ」


「なるほど、隠すのだな」


「そういうこと」


 壮真は枝を組み合わせ、簡易的な格子状の蓋を作った。サーヤはその横で葉を集めてくる。


「これでどうだ!」


「おお、サンキュー、ちょうどいい量だ。」


「ふふーん♪」とサーヤは胸を張った。


 1時間をかけ落とし穴が完成した。


「これは、結構わかりやすいのでは?」


 完成した落とし穴は明らかに周囲の地面とは色が違っていた。


「今は作ったばかりだからな。時間がたてば馴染んでくると思うよ。ただ完全に馴染んだら俺たちもわからなくなるから、目印でも立てておこう。」


 壮真は落とし穴の周り4か所に小さな杭をさし目印にした。


「おお!これなら間違って踏むことは無いな。」


「ほんとかな?忘れて踏みそうな気がするのは俺だけかな・・・」


「そこまでバカではないのだ。信用してほしいのだ。」


「まあいい、次は“スプリング・スピア・トラップ”だ。」


 壮真はまず、しなりの強いゾルの木を一本選び、地面に対して斜めに押し曲げた。枝は弓のようにしなる。


「この枝を“バネ”にする。ここに杭を固定して……」


「杭は私が作ろう!」


 サーヤは嬉々として太い枝を削り始めた。剣を使う手つきは見事で、木の表面がみるみる滑らかになっていく。


「早いな、あっもっと削ってもいいよ。貫通力がないと一撃で仕留められないからな。」


「おっそうか。では先端はもっと尖らせておくぞ。」


 作業開始から2時間が経過し罠が完成した。


「よーし、完成だ。早速試してみるか。」


 壮真は起動用の紐を切る為にナイフを取り出した。


「サーヤ、そこは危ないから俺の後ろに来てくれ。」


「おっ、わかったのだ。」


「よし、じゃあ起動するぞ。」


 サーヤが壮真の後ろにつくのを確認し壮真はナイフを振り下ろした。


 ビュンッッ!!!という音と共に目でも負えないスピードで杭が射出され、落とし穴の真ん中ぐらいにちょうど止まった。


「おおおおお!すごいのだ。全然見えなかったのだ。これならガガブルでも一撃なのだ!」


 興奮気味にサーヤが喋る。


「うまくいったな。場所も高さもちょうどいいと思う。多少外れてもいいように杭を3本にしたから必ず当たるだろう。」


「なあなあ、私もやってみてもいいか?」


「もちろん、誰でも出来る様にならないといけないからな。じゃあその杭を元に戻すか・・・そこに落としあ・・」


「任せろなのだ、私がとってくるのだ・・・あっ!!ズボッ・・・・・」


 壮真が落とし穴に気を付けてと言っている途中でサーヤは罠へと走りだしていた。


「・・・・・・・言ったそばから」


「すまんのだ!ほんとに違うのだ!決して忘れていたのではなく!これは罠なのだーーーーーー!」


「そりゃ罠だからな・・・最後に言い残すことはあるか?」


「本当にごめんなのだ、あと早く助けてくれるとありがたいのだ。」


「やれやれ、本当に残念な奴だな・・・」

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