第21話 好きなものの話は弾んじゃうよね


「もぐもぐ・・てことは壮真殿は、もぐもぐ・・ここは地球でも私の世界でもない場所、もぐもぐ・・って考えているのだな。」


「食うかしゃべるかどっちかにしろよ。とりあえず、俺の考えは言った通りこの島は地球でもなくサーヤの世界でもない場所だと思う。この黒い大きな壁に認識阻害魔法がかかっている事が分かったときはサーヤの世界なのかって思ったけど、あのシステムウインドウは何処の世界でもないここだけのものだと思う。まあ、今のところの考えだけどね。とりあえずお昼食べたらこの壁がどうなっているか海岸まで行ってみよう。」


「わかったのだ。それにしても、この肉巻きおにぎりはうまいな!肉のうまみとタレがおにぎりにしみこんで最高だー!」


「この島の謎より肉巻きおにぎりか・・・・相変わらず残念な奴だな。」


「ていうかクマノ手は多分クマがいるんだろうけど、ガガブルノシッポってなんだ?」


「ガガブルは私たちの世界の生き物だぞ。」


「危険なのか?」


「うむ、かなり危険な生き物だ。大きさは大体ザットンの2倍ぐらいで腕だけでも私ぐらいある。力も強く爪も鋭い。常に近くの村で被害が出ていて私たちの騎士団に討伐依頼がよく来ていた。」


「えっ!そんなに危険なの?二人で倒せる?」


「いつもは6名ぐらいのパーティーで討伐に行っていたし、私のスキルでも倒しきれなかったからかなり危険だな。」


「マジかーーー。クマも結構きついと思うんだけど。」


「クマも危険なのか?」


「大きさはいろいろあるけど大きいのはザットンより少し大きいぐらいでかなり凶暴だ力も強い、俺の住んでる国でも毎年被害が出ているからな。」


「ではこの二人で倒せる作戦も考えないといけないのだな・・・」


「まあ、今すぐってわけでもないからとりあえずご飯食べたらサーヤ側の洞窟に北へ行ってみよう。」


「わかったのだ。」


壮真たちは昼食を食べ調査を再開する。


「この壁がどこまで続くか調べたいから、このまま壁を伝って行こう。サーヤは周囲の警戒をお願いしたい。」


「任された。」


「よし出発だ。」


黒い壁にそって壮真たちは進んだ。壁は果てしなく続き、いかなる物も拒絶するかの如くそびえ立っていた。周囲を警戒しながら進み、そして目の前に海が広がった。


「海に出たな。」


左を見ると黒い壁は遥か水平線の向こうまで続いていて、先が見えない。


「やっぱりここは境界線なのかな島のどのあたりだろう?」


今度は左側の海岸線を見てみる、するとこの前に釣りをした磯が見える。


「あそこが釣りした場所だから多分ここらへんだろう。」


そう言って壮真は地図へ黒い壁を書き足した。書き足した地図を見て壮真は考えた。


(俺の予想が正しければサーヤ側の北側も同じになっていて、南側も同じようになっているのでは・・・)


「さーや、すまんがサーヤ側の洞窟の北側に行ってみてもいいか?」


「いいぞ、でもどうしてだ?」


「俺の予想だけど多分サーヤ側の北にも同じ黒い壁がある気がする。」


そう言って壮真は地図をサーヤに見せた。その地図を見たサーヤは


「なるほど、確かにその可能性もあるな。わかった行ってみよう。」


壮真たちは海岸を後にサーヤの洞窟へ急いだ。来た道を戻り1時間ほどでサーヤの洞窟の北側へ着いた。


すると、壮真側にあった黒い壁が目の前に現れた。


「やっぱりそうか、こちら側にも壁があった。」


壮真は手を伸ばし黒壁に触れる。


ビーーーーーーーーーーーーーー!!!!!


『システムメッセージ:警告デス。コノ先ヲ開放スルニハアイテムガ足リマセン。必要アイテム クマノ手 0/1 ガガブルノシッポ 0/1』


 前回と同じように壮真の目の前に警告音とともにメッセージウィンドウが出た。


「同じだな。」


「うむ、ということは南側にもあるということか?」


「なあ、サーヤ、ついでに行ってみてもいいか?」


「いいぞ、なんかワクワクしてきたな。」


「あははは、確かにワクワクしてきたな。なんか地球で行ってた謎解き脱出ゲームを思い出すな。」


「謎解き脱出ゲーム?とはなんだ?」


「謎解き脱出ゲームは制限時間内に部屋や施設、物語の世界から“脱出”することを目指す体験型施設で各部屋ごとに謎解きなんかがあって謎を解くと次の部屋へ行けるようになったりするんだ。」


「ほうほう、ダンジョンでたまにあるあれみたいなものか。」


「ダンジョンにも謎解きがあるのか?」


「ごくまれにあるぞ、ある部屋にある石像を移動して別の部屋の祭壇へ持っていくとか。別の部屋のボタンを同時に押すとか。もう、キィーーーーーーーーーー!ってなる。」


「おおお、楽しそうだ。俺はそういうの大好きだ。サバイバルの体験みたいで、前に行った奴はまさにダンジョンを模した施設であっちこっちの部屋を回って何とかクリアしたんだ。楽しかったなあ。」


「ふふふ、壮真殿は本当に謎解きが好きなのだな。今いい笑顔してるぞ。」


いきなりサーヤに褒められて耳まで真っ赤になる壮真.



「なっ!なんだよ!いきなり。いいから行くぞ!」


「あーーー。照れてる。照れなくてもいいのに。」


後ろから聞こえるサーヤの声に聞こえないふりをしながら壮真は南側へと向かった。



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