第20話 やっぱり空腹には勝てない

 焼き肉を堪能した翌日


「昨日の焼き肉は美味しかったな♪」


 サーヤは昨日の焼き肉がよほど美味しかったらしく、朝からずっと感想を言っている。


「朝からずっと言ってるなぁ、でも確かに昨日の肉はすごく旨かった。あんな肉はA5ランクの肉と同じぐらいだったな。」


 壮真も昨日食べたザットンの焼き肉の味を思い出し、よだれが出た。


「でっ、今日はどうするのだ?」


「食料の心配が少なくなったので、島の北側に行くことにしようかと思っている。」


「北側と南側は森を抜けるから少し危険なのでは?」


「そうなんだけど、やっぱり気になって。」


「では、今日は北側に行くのだな。」


「おう、そのつもりだ。今からお昼用のご飯を作るぞ。」


「今日のお昼はなんだ?」


「今日は肉巻きおにぎりだ。」


「なんだその、暴力的な名前は?絶対に美味しい奴ではないか。」


「ふっふっふっ!まあ、楽しみにしてろって。」


 壮真は俵型のおにぎりを作っていく、そのおにぎりに昨日捌いたザットンのバラ肉部分を巻きつけて並べていく。


「おおおおお!素晴らしい見た目だ、絶対に美味しいぞこれは。」


「まだまだ、これからだって。」


 壮真はその肉をフライパンへ並べ焼いていく。


「肉が焼けてきたら、これを追加っと!」


 壮真は焼けた肉に作っていたタレをかける。ジューーー!という音とともにあたり一面に醤油の香りが広がる。


「ふわああああああああああ!なんだこの香りは、よだれが止まらんぞ。」


「これは、めんつゆに砂糖を入れた簡単照り焼きのタレだ。」


 タレが煮詰まっていき肉が照りを出し始めぐつぐつと音がしてくる。


「壮真殿これは、駄目だ。駄目な匂いだ。早く食べたい。今すぐ食べたい。」


「朝ごはん食べたばかりだろ、昼までのお楽しみに採っておけ。」


「ぐぬぬぬぬ!生殺しなのだ。昼まで我慢できるかわからないのだ・・・」


 壮真は出来上がったおにぎりをタッパーに詰め探索の準備を行う。


「よし、準備が出来たぞ、早速北側へ行こう。」


 壮真たちは洞窟を出て山沿いに北側へ進むことにした。


「さーや、危険な魔物がいたら知らせてくれ、俺じゃあ異世界側の生物はどれが危険かわからん。」


「わかったのだ、・・・今のところ、危険な気配は無いな。」


「わかったありがとう。よし、すこしずつ進もう。」


 壮真たちが気を付けながら進むこと5分、意外な光景が壮真たちの目の前に広がっていた。


「うそだろ!なっなんだこれは?」


 壮真たちの前には真っ暗な闇の壁が広がっており、森との境目がはっきりとできていた。そして上空を見上げると宇宙まであるのではないかと思われるほどの壁となっていた。


「さっきまでこの壁なかったよな。てかこんなでかい壁があるならどこからでも見えるはずなのに。なぜ気が付かなかった?」


「んーーー、これは認識阻害の魔法がかかっているのではないか?」


「認識阻害?」


「うむ、相手の認識をそう思い込ませる魔法だ。精神魔法なので使える魔法使いは限られているがこのように常時魔法をかけれる魔法使いなどはたしているのか?」


「そんなにすごい魔法なんだ。」


「壮真殿、試しに、少し下がってみるといい。」


 壮真はサーヤの言ううことに従い5歩ほど下がった。すると先ほど見得ていた黒い壁は消滅し元の森へと姿を変える。


「おお、すごいな。全然わからんぞ。」


「うむ、私もこのような見事な認識阻害魔法は初めて見る。もしかして常にかかっているということはこの島自体が常に魔法をかけているということなのか?」


「そんなことできるのか?」


「うむ、高難易度のダンジョンなんかはそのような魔法の部屋がある事は聞いているが。私も行ったことがないからな・・・」


「この真っ黒のものはかべなのか?」


 そう言って壮真が手を伸ばし壁に手を触れると・・・


 ビーーーーーーーーーーーーーー!!!!!


『システムメッセージ:警告デス。コノ先ヲ開放スルニハアイテムガ足リマセン。必要アイテム クマノ手 0/1 ガガブルノシッポ 0/1』


 いきなり壮真の目の前に警告音とともにメッセージウィンドウが出た。


「なんだこれは?」


「サーヤも見たことがないのか?多分システムメッセージウィンドウだと思うけど。じゃあこれは異世界のものではないのか・・・」


「壮真殿の世界のものではないのか?」


「うん、俺の世界ではこういううのは出ないな。やはりこの島はどちらの世界ではないのか?じゃあここはやっぱり違う世界・・・・ぶつぶつ・・・・」


 壮真は考えをめぐらせた。


 ぐううううううううううううううううううううう・・・・・・


 突如真剣な雰囲気をぶち壊すなんとも平和な音が聞こえた。


 音の舌先に目線を移すと頭をかきながら照れ笑いをしている人物が・・・


「てへっ♪」


 壮真はやれやれと考えるのを中断し、「お昼にするか?」とサーヤに聞いた。


 サーヤは漫勉の笑みで


「やったーーーーーーーーーーーー!」叫んだ。


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